「株主優待」を利用した投資詐欺疑惑 「シー・ティ・エヌ」が200億円超の資金を集めて破綻

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内密な入札制度

 航空会社ならば割引航空券、外食企業だと優待食事券などが株主に提供される株主優待。この制度を巧みに利用した投資詐欺疑惑が持ち上がった。「株主優待事業」を手掛ける「シー・ティ・エヌ」(CTN、東京・代々木)が、200億円以上もの資金を集めた挙げ句に破綻。被害者が続出している。

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 CTNが出資を募るために配布したパンフレットによれば、株主優待事業とは以下のようなビジネスモデル。

 機関投資家が株主優待を売却するための内密な入札制度が存在し、CTNのほか金券ショップ「大黒屋」など8社だけがその参加資格を有している。一方で、株主優待は担保にならないために銀行融資を受けられず、ついては入札代金を出資してもらえれば高配当を約束する、云々。

虚実ない交ぜ

 CTNに出資した、ある会社社長はこう語る。

「2019年2月、CTNに9000万円を投じました。最初の3カ月間は配当が支払われていましたが、6月から完全にストップ。出資するにあたって、CTNを訪ね、オーナーである菊田裕樹会長から説明を受けたのですが……」

 説明によると、例えば1000万円を出資した場合、CTNはそれを元手に機関投資家から落札した割引航空券やクオカードといった金券を転売し、29.2%、つまり292万円の利ザヤを得る。そして出資者には292万円の15%を月々の配当として支払うというものだった。だが配当の支払いはストップしたまま、菊田会長と連絡がつかなくなった。

 そもそも、入札制度なるものは実在するのだろうか。CTNのパンフレットで、参加資格を持つとされた大黒屋に訊くと、「株主優待の入札制度は存在します。弊社も参加することはありますが、他業者に競り負けてしまうケースも多い」とのこと。CTNがクオカードを落札したという楽天証券や野村證券はいずれも、CTNとの取引自体、事実ではないと否定する。

 つまり、菊田会長は虚実ない交ぜで出資者を騙していたことになる。当のご本人は、「私個人で事業を再建し、出資者には返済をしていくつもり」とおっしゃるが――。

週刊新潮」2019年12月26日号「MONEY」欄の有料版では、CTNが破綻に至る経緯と菊田会長の釈明を詳報する。

週刊新潮 2019年12月26日号掲載

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