韓国の「五輪選手村食堂批判」…選手村での食事シーンをSNSにアップしたら「日本人による自作自演?」と批判が
「100%日本人が韓国のユニフォームを着て」
韓国五輪代表の栄養士を務めるハン・ジョンスク氏は、「今回は新型コロナの問題や福島産の食材に敏感な人が多く、より力を入れている。さらに、この国の気候は非常に高温多湿であり、食中毒を防ぐため衛生面でも細心の注意が必要だ」とメディアの取材に答えている。
選手村での食事に対し、否定的な印象を抱いていることを十分に感じさせる発言だ。それを裏づけるかのように、韓国選手団の面々が選手村の食堂で食事を摂っているシーンをSNSにアップするケースはほとんど見られなかった。
その背景には、韓国が敵対視する日本が開催国であること、そして大韓体育会が「放射能云々」と騒ぎ立てたことがあるのだろう。
極めて少数派だが、アーチェリー韓国代表選手が帰国後にテレビ番組出演し、「選手村をどのように楽しんだか」というMCからの質問に対し、「選手村のご飯ではないか。食べることが好きで、昼食時間はいつも幸せだった」と答えている。この答えにMCも、「とても選手村の食堂が気になる」と羨ましがっていた。
他方、ある韓国人選手が選手村で食事する光景をインスタグラムにアップすると、コメント欄には、「日本人による自作自演なんじゃないか?」「韓国人じゃない」「100%日本人が韓国のユニフォームを着ていると思うけど」といったトーンの内容が多く寄せられた。
この「SNSにほとんどアップされていない」という事実はメディアでも注目され、黄熙(ファン・ヒ)文化体育部長官による、「選手村で提供される食事を食べてはいけないと政府が指示したことはない」との火消し発言も紹介された。
居心地の悪い五輪
別の番組でも、大韓体育会関係者が同様に、「韓国選手団が五輪選手村の食堂を利用しないという主張は事実ではない」と“疑惑”を否定。「現地にいる選手団に対する別の食事規定や指針はない。選手村での食事を基本としており、単に大会日程にのっとった食事の便宜と韓国料理を求める声に応えるために弁当を提供している」と弁明している。
その弁当については、「リクエストは1日250~500個程度。韓国は今回の東京五輪に354人の選手団を派遣したが、試合を終えて早めに帰国するようなケースを考慮して、1人あたり1日1~2食ほど提供されている」「韓国選手たちがSNSに写真を掲載しないからといって、選手らが選手村の食堂を利用していないという主張は誤っている」とも述べていたのだった。
確かに、韓国人選手が選手村の食堂を利用しているのは間違いないのだろう。しかし、日本での選手村生活を満喫し、そのことをオープンにすることに何の障壁もない他国選手らと違って、韓国人選手の場合、選手村や日本食の魅力について語ることが叶わない。自国民からバッシングを受け、極端な例で言うと、選手生命が危機にさらされることを警戒するからだ。
今回の東京五輪・パラリンピックは、彼らにとってさぞかし居心地の悪い五輪だったことだろう。