ワタミ「渡邉美樹氏」が掟破りの社長復帰 経営を支える“三本柱”は絶好調のウラ

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韓国の人気チェーン

 ところが、である。ワタミの経営に復帰した渡邉会長は、文字通り会社の経営を牽引していく。「115億円の赤字」というイメージも払拭し、今や「反転攻勢」が期待されているというのだ。

「2018年11月、ワタミはテリー伊藤さんと組んで『から揚げの天才』をオープンしました。もともと消費者に人気のあった唐揚げに、テリー伊藤さんの実家が東京築地で卵焼きの名店を経営していたことからコラボさせたのですが、これが当たりました」(同・千葉氏)

 東京都内に生活圏のある人なら、「から揚げの天才」の店舗を見たことがある人もいるだろう。公式サイトを見ると、例えば唐揚げ3個に卵焼き、ご飯にみそ汁がついた「からたま定食」は税込みで690円となっている。

「初出店の時点では、渡邉会長は参議院議員でした。それが取締役に復帰すると、『から揚げの天才』に注力します。低コストで出店できるメリットがコロナ禍で苦しむ飲食店の経営者側にも歓迎され、今も猛スピードでFC網を構築しています。7月には100店舗を達成し、“外食チェーン最速”とPRしました」(同・千葉氏)

 また韓流ドラマのファンなら、「bb.q オリーブチキンカフェ」というチェーン店のことは、よくご存知かもしれない。韓国の人気フライドチキンのチェーン店だが、日本の運営はワタミが行っている。

本命は焼肉

「2016年12月、ワタミの本社がある東京都大田区の大鳥居に1号店をオープンさせました。当初から手応えを感じていたと思いますが、2020年に韓国ドラマ『愛の不時着』がNetflixで放送され、『bb.q オリーブチキンカフェ』がドラマに登場すると、日本でもブームになりました。お客さんが詰めかけただけでなく、『働きたい』という女性も殺到しています」(同・千葉氏)

 そしてワタミ再生の“立役者”と目されているのが、「焼肉の和民」だ。ブラック企業のイメージが根強い「和民」の名前を復活させたところにも、渡邉会長の自信がうかがえる。

「日本食糧新聞が8月に報じましたが、渡邉会長は大胆なリストラも行いました。不採算店舗約150店を閉め、賃料の減額を交渉したりするなど、約100億円の固定費削減を達成しました。更に昨年5月にオープンした食べ放題の焼肉店『かみむら牧場』に手応えを感じると、『焼肉の和民』をチェーン展開させます」(前出の経済担当記者)

「焼肉の和民」がいかに高収益を達成しているか、千葉氏が解説する。

「居酒屋の和民にブラック企業のレッテルを思い出しアレルギーを示す消費者でも、『焼肉の和民』という看板を見ると『えっ!?』と興味を示すわけです。更に郊外店の人気も見逃せません」

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