日本政府が米国務長官に贈った63万円のウイスキーが「行方不明」に 銘柄は「山崎35年」?
ブランデーやウイスキーは、樽で熟成する間、蒸発で何割かが減ってしまう。「天使の取り分」と呼ばれる現象だが、こちらはボトルごと蒸発してしまった話である。
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日本政府からマイク・ポンペオ前米国務長官に贈られた高級ウイスキーが行方知れずになっているとNYタイムズが報じたのは、8月4日のこと。同紙によると、価格は5800ドル(約63万円)である。
ワシントン特派員が言う。
「日本政府からポンペオ氏にウイスキーが贈られたことは、米政府の官報に載っています。そこには『連邦職員が外国政府から受け取ったギフト』のリストがあり、大統領からCIA職員まで、受け取った品物が贈り主とともにずらりと列記されている。政府の規則では390ドルを超える贈り物は政府の所有にするか、個人が引き取る際に対価を払わなくてはなりません」
官報には件のウイスキーの他にも、菅義偉官房長官(当時)=以下同=が、ポッティンジャー米NSCアジア上級部長に同じく高級ウイスキーを贈ったことや(こちらは8374ドル)、安倍昭恵氏がメラニア大統領夫人に真珠のイヤリング(2600ドル)をプレゼントした事実も記されている。で、ポンペオ氏に贈られたウイスキーはというと、日付が2019年6月24日となっているものの確かに〈行方不明〉とある。
「その日、ポンペオ氏はサウジを訪問中で、G20大阪サミットのために6月27日に来日、28日、河野太郎外務大臣と会談しています。実際にプレゼントしたとしたら、この時期でしょう」(同)
そこで外務省に聞いてみたものの締切日までに返事はなし。
気になるのは、どんな銘柄だったのか。ウイスキー評論家の土屋守氏に聞いてみた。
「この当時で5800ドル前後のウイスキーといえば、サントリーの『山崎35年』でしょうか。発売は06年で定価は50万円。すでに相当なプレミアムがついていましたが、入手はできました。山崎蒸溜所が大阪にあることからも、大阪サミットでの贈り物としては相応しい。でも、機密費を使えるんだから、もっと高いのを贈ればよかったのに」
もっともポンペオ氏は弁護士を通じて「受け取った記憶はない」と全否定。誰の“取り分”になったのかは、官報に〈当局が調査中〉とある。