東京パラで韓国選手団がBTSに絡む横断幕 兵役と竹島で「政治利用」を唱える教授も
BTSの歌詞をもじって
東京パラリンピックが24日、開幕した。先のオリンピックで韓国選手団は、選手村に入村して早々に反日横断幕を掲げ、開会式や各競技で放射線状に伸びた物体を発見する度に「旭日旗を模している」と異議申し立てを続けるなど、反日活動に余念がなかった。果たしてパラリンピックではどうか。すでに世界的スターBTSに絡んだ横断幕が掲げられており、かねて取り沙汰されてきた彼らの兵役問題と竹島との関連が見て取れるという。羽田真代氏によるレポート。
パラリンピックに出場する韓国選手団は今のところ音無しの構えだが、オリンピックの時と同様、選手村の韓国選手団が宿泊する部屋のベランダ壁面には巨大な横断幕がしっかりと掲げられている。今回は国内外で人気を博しているアイドルグループ、BTS(防弾少年団)の歌詞をもじった横断幕だ。
「HOTTER, SWEETR, COOLER, WINNER!」
これはBTSの代表曲のうちのひとつ、“Butter”の後半部分から引用したもので、元の歌詞は「Hotter? Sweeter! Cooler? Butter!」だ。“Butter”を“Winner”に改めているわけだ。
韓国メディア・国民日報は、この横断幕を考案したのは大韓障碍者体育会課長のキム・ビョンイン氏だと伝えている。
キム氏は現在日本に滞在しており、国民日報とのインタビューで「我が国を代表し、全世界的にトレンディなものであれば良いのではないかと考え、BTSの歌詞を活用した」「韓国選手団がもっとホットに、もっとスイートに、クールな勝利者となってほしいという願いから“Butter”を“Winner”に変えた。BTSの楽しい音楽のように、今回のパラリンピックを心から楽しむことができる時間になるよう望んでいる」と答えている。
BTSの“独島警備隊”案
オリンピック時に、李舜臣(イ・スンシン)将軍の言葉をもじった横断幕や「虎が降りてくる」と書かれた横断幕に日本側から抗議の声があがったことに対し、「日本が言い掛かりをつけている」と韓国では報じられた。彼ら側の見方では、日本は韓国のアラ探しを行い、「スキあらば韓国を非難している国」となるらしい。
国民日報は「BTSの歌詞を活用したパラリンピック選手村の横断幕に関しては、日本もこれ以上言い掛かりをつけることはできないだろう」と述べている。
たしかに今回の横断幕は政治的なものとは一線を画したものだと言えるのかもしれないが、ではBTSが完全に“反日”とは無縁だと言えるかといえば、当人たちの思惑などはさておいて、そうとも言い切れない面がある。このあたりがこの国の個性だとも言えるだろう。
たとえば韓国では2019年から、BTSの“独島警備隊”案なるものが非公式に取り沙汰されてきた。
よく知られる通り、韓国人男性には兵役義務があり、よほどの理由がないかぎり免除されない。当然、兵役義務はBTSメンバーらにも課せられており、現時点でメンバーは誰一人兵役を終えていない。2020年12月に兵役法改正案が可決され、「世界的に活躍が認められているアーティストは30歳まで兵役を延期できる」ことになり、BTSでいうと最年長のメンバーは「2022年12月までに入隊」という条件で、入隊延期が続いている。
さて、“独島警備隊”案の具体的な主旨は下記の通りである。
・BTSを独島警備隊として服務させれば、全世界にいる子どもらの脳内に“BTSが任務についている独島は韓国領”だと認識させることができる。
・BTSが独島警備隊で任務につけば、独島が海外の子どもたちの間でも有名になり、観光地となって独島領有権の強化・東海(日本海)広報・鬱陵島の観光収入増大・安倍晋三首相(*2019年当時の案なので)の血圧上昇などの効果が期待できる。
・日本から独島へ出発する船便はなく、訪れるためには韓国のビザを取得し、韓国政府の許可を得なければならない。韓国の独島領有権がさらに強化できる。
・その旅客船の観光ガイドに“Dokdo is a Korean territory located on the East Sea(東海)”と紹介する文言を入れれば、自動的に“東海”という考えが定着するはずだ。
「風が吹けば桶屋が儲かる」ならぬ「BTSを独島(竹島)に置けばすべてうまくいく」といったプランを主張する向きがいるというのだ。
いくら何でもネット上のネタ、ジョークの類だろうと思われるかもしれない。が、この“独島警備隊”案については、反日教授として知られる誠信女子大学校の徐坰徳(ソ・ギョンドク)教授は賛同している。彼は過去に「この案については関係機関での議論が必要で、当事者らの意思も確認する必要があるが、BTSが独島警備隊として勤務する案は独島を世界中に知らせる良い機会になる」と述べている。仮にも大学教授が推進すべきだと公言しているのである。
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