松坂桃李が明かした「まだローンを組めない」現実 過去の「芸能人vsローン」トラブルを振り返ると

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岩城滉一と整理回収機構

 同様に離婚が絡んだローンで言えば、ハリウッド俳優となった渡辺謙(61)の例が有名だ。

 2001年、都内の豪邸が税金滞納で差し押さえられていたことが発覚。別居も明らかとなり、渡辺謙と妻との間で泥沼の離婚訴訟も伝えられるように――。

「その中では、奥さんが知人ら50人から2億円の借金をした一方で、ある宗教団体に2億5000万円を振り込んでいたことなどが明らかになりました。謙さんは離婚訴訟には勝ちましたが、奥さんの名義になっている豪邸の連帯保証人になっており、数億円規模の住宅ローンの返済について支払い責任を負うことになりました」(同)

 続いて、経緯はそれぞれ違うものの、整理回収機構(RCC)と向き合った2つの例から。

 1999年、俳優の岩城滉一(70)は、約160坪の借地に7LDKの邸宅を建てた。その際にこれを担保に自身の会社名義で5億円の借金をしたとされる。

「直後に融資元の信用組合が破たんし、債権がRCCに移ってしまいました。ずっと地代の滞納が続いたので、RCCに邸宅を差し押さえられ、競売にかけられることになったのです。当時の会見では、趣味のバイクも大事にしてくれる人に引き取ってもらったと苦しげに明かしていました」(同)

 最後に紹介するのが、歌手・石川さゆり(63)の例だ。2001年10月6日付の日刊スポーツから抜粋して紹介すると、

〈東京商銀信用組合の不正融資事件に、歌手石川さゆり(43)の元個人事務所が関与していることが5日、分かった。東京地検特捜部はこの日、都内の企業グループに約16億2000万円をう回融資して商銀に損害を与えたとし、前理事長A容疑者を背任容疑で再逮捕、企業グループのオーナー、B容疑者を背任の共犯容疑で再逮捕した。調べによると、A容疑者らは回収の見込みがないのを知りながら、数社の関連会社などを通じてB容疑者に計16億2000万円をう回融資した疑い。このう回融資先の1つが石川の元個人事務所「パルパル」だった〉

石川さゆりの56億円

 B容疑者は石川のタニマチ、スポンサー的存在とされる人物だった。石川は1995年にカラオケ事業に進出するため、自ら代表を務める個人事務所を通じ、国民銀行から約35億円の融資を受けた。その際に石川は個人保証しており、それ以外の個人事務所の債務も保証するという約定書にサインしていた。

「97年に石川はカラオケ事業から撤退することになり、個人事務所をB容疑者に売却しました。事務所はその後、カラオケ事業で28億円の負債が発生し、進出したゴルフ事業でも約28億円の負債を負ってしまいます」(同)

 このため、破たんした国民銀行から債権を譲り受けたRCCが計56億円の債務履行を石川に求めることになり、結果、返還を求めて提訴に至ったのだった。

 芸能人の場合、往々にして動く金額が大きく、知名度が高いために、トラブルが起きると大きく報じられることになる。あくまでもここに紹介したのはトラブルを抱えたケースで、ローンとうまく付き合ってやりくりしてきた人たちがほとんどだろう。それにしても、離婚、連帯保証、破たん、バブル崩壊……ローン返済計画が狂う火種はそこかしこにあることを教えてくれてもいる。

デイリー新潮取材班

2021年8月25日掲載

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