創価学会に激震 東京地検特捜部が公明議員の事務所にガサ入れ、本当のターゲットは小池百合子?
秋に控える衆院解散・総選挙を前に、政権与党の公明党とその支持母体である創価学会に激震が走っている。公明・学会側が「選挙妨害」と批判の矛先を向けるのは、現職公明議員の事務所にガサ入れを強行した東京地検特捜部の潜行捜査だ。
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8月4日、公明党の吉田宣弘、太田昌孝・両衆院議員の事務所に特捜部が家宅捜索に入って以降、永田町が揺れている。
公明党が猛反発するなか、注目の捜査の行方について、全国紙社会部デスクがこう解説する。
「両議員の秘書らが昨年、貸金業の登録を受けずに融資の仲介をした貸金業法違反が捜索容疑ですが、特捜部の狙いはもちろん秘書ではない。今年2月、緊急事態宣言中に銀座のクラブに深夜まで滞在していたことが発覚し、議員辞職した遠山清彦前衆院議員がターゲットといわれています」
捜索対象の面々は遠山氏が辞職する前まで彼の秘書を務め、実際、議員事務所へのガサ入れと同時に、遠山氏が代表を務めるコンサル会社なども捜索を受けた。
つまり、事務所ぐるみで違法な融資仲介に関与した疑いが持たれているわけだ。
「問題となっているのは、コロナ禍で売り上げの落ちた企業を対象とした日本政策金融公庫の特別融資です。同融資をめぐり、仲介を依頼した数十の業者から、遠山氏側に数百万円の現金が渡ったとされ、単なる口利きでなく、贈収賄事件に発展する可能性も囁かれています」(同)
当時、遠山氏は財務副大臣の職にあり、同公庫は100%政府出資で財務省の所管。仲介における職務権限の有無が捜査のポイントになっているという。
本丸は別にいる
遠山氏本人に訊ねると、
「弁護士とも相談し、取材は受けないことにしている」
と詳細は語らなかった。
“遠山ルート”は今年6月、金融機関からの融資金詐欺などで起訴された太陽光発電関連会社テクノシステムをめぐる一連の捜査の過程で浮上したものだ。小泉純一郎元総理が広告塔になっていたことでも話題になった会社だ。
遠山氏と融資の仲介を依頼した業者を繋いだのは、他ならぬテクノ社の最高顧問を務めていた人物。
その元最高顧問が言う。
「遠山とは約8年前からの付き合いで、当時から俺は遠山の支援者で応援団長。遠山とテクノの生田尚之社長を繋いだのも俺だ」
今回の件で、彼も特捜部から事情聴取を受けている。
「俺はテクノ以外にも数十の会社の顧問をしていて、それら顧問先から昨年“コロナで会社が潰れる。何とかしてほしい”と頼まれた。だから俺の秘書が遠山の秘書に“公庫の担当者を教えてほしい”と相談したのは事実。でも俺から遠山にカネを渡したことはないし、俺が顧問先から手数料を受け取ったこともない」(同)
一方で、融資を受けた顧問先が遠山氏側に現金を渡した可能性は否定せず、「ただし、それは謝礼や手数料でなく、政治献金だ」として、遠山氏が適正に処理していれば問題はないと話す。
そして、こう続けるのだ。
「特捜部のテクノ捜査は終わっていない。遠山以上に生田と懇意だったのは小池百合子都知事。7月の都議選直前の緊急入院も、実は特捜部から事情聴取を受けていたことのカモフラージュだったとの話を関係者から聞いている。捜査の本命は遠山ではないはずだ」
小池氏からは締切りまでに回答を得られなかったが、生田被告と小池氏が仲良く納まった写真の存在は本誌(「週刊新潮」)6月10日号で報じた通り。「本丸」の正体が明らかになる日は来るか。