「アニメの聖地」淡島ホテル オーナーだった「東京相和のドン」の息子は詐欺で刑事告訴され行方知れずに

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 東京相和銀行(現・東京スター銀行)のドン、長田(おさだ)庄一元会長が建てた淡島ホテルをめぐる金銭トラブルは、「週刊新潮」2019年5月30日号「MONEY」欄で報じた。ドンの没後にオーナーとして経営を引き継いだ三男の長田浩行氏は、ホテルの会員から詐欺などで刑事告訴されている。

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利息はおろか元本も

 人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地としても知られる「淡島(あわしま)ホテル」(沼津市)の旧運営会社が、2019年12月、静岡地裁沼津支部から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は400億円、債権者は2000人に上るという。

 浩行氏は経営の舵取りに失敗した挙げ句、18年の4月16日には再建屋の異名を持つ「オーロラ」(名古屋市)なる会社に、死に体の淡島ホテルの株式を1株1円、計200円で売却。

 だがそれだけでは何の解決策にもならなかった。なぜなら、淡島ホテルは1口300万円で会員権を販売する以外に、高利回りを誘い文句に会員に対して貸付を募ったり、私募債の購入を持ち掛けていたからだ。

 淡島ホテルがオーロラに売却されると、利息はおろか元本の返済もされなくなり、10人ほどの会員が申し立てを行い、破産手続きの開始決定に至ったわけである。

偽造印鑑

 実は、破産手続き開始決定の6日後、別の会員3人が浩行氏を有印私文書偽造と同行使、さらに詐欺の疑いで警視庁西新井署に刑事告訴している。

「淡島ホテルを守る債権者の会」の代表が語るには、「(※20年1月)現在、会には110名ほどのメンバーが所属し、債権総額は30億円になります。全員、会員権を購入したのに淡島ホテルを使えなくなったり、貸付金が戻らないといった被害に遭っている」

 浩行氏以下、淡島ホテルの営業部隊は破綻するのを承知のうえで、偽造印鑑を用いて会員から金員を騙し取っていたという。浩行氏は行方知れずとなり、ケータイもつながらない。

「だから、罪を認めさせるには警察の力で長田さんを表に引っ張り出すしか方法がありませんでした」

 人気アニメの聖地を舞台にした詐欺事件はどこまで広がるか。

週刊新潮」2020年1月16日号「MONEY」欄の有料版では、会員が刑事告発に至った経緯を詳報する。

週刊新潮 2020年1月16日号掲載

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