中田翔、巨人へ電撃移籍のウラ 巨人OBが語る「清原移籍との違い」

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 8月20日、巨人は日本ハムの中田翔(32)を無償トレードで獲得したと発表した。中田はスーツ姿で記者会見に臨んだ。おまけに、髪は黒色のように見え、髭を剃り、トレードマークでもあったネックレスを外していた。

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 中田は8月4日、エキシビションマッチのDeNA戦を前に、同僚選手への暴力行為が発覚。無期限の出場停止処分を受けていた。

 だが、巨人が電撃的なトレードを発表。中田は同僚選手やファンに謝罪した上で、次のように決意表明をした。

「そう簡単に信頼を取り戻すことはできないかもしれないけど、一から自分を見つめ直して、野球人として、人として、しっかり前に進んでいきたい」

 スポーツ報知(電子版)は20日、「【巨人】原辰徳監督が中田獲得について思いを激白『過去、現在、未来を共有する覚悟でもう一度チャンスを与えるべき』」との記事を配信した。

 YAHOO!ニュースのトピックスにも転載されたため、目を通した方も多いだろう。記事の中で巨人の原辰徳監督(63)は、日本ハムの栗山英樹監督(60)から電話があったと明かした。

 詳細は明かさなかったが、原監督は《中田の再起を願う栗山監督の親心を強く受け止めた》と説明、巨人フロントに中田獲得を直訴したと明らかにした。

叶わなかった「日ハム再出発」

 だが、プロ野球の関係者は醒めた見方を示す。「原監督の説明を素直に信じる人はいないでしょう」

「4月7日、中田選手はソフトバンク戦で、右目の周りに青あざができたことが話題となりました。公式には『三振後、ベンチでバットを叩き折り、転んで右目を腫らした』と説明されました。しかし、今回同様その時も『そんな説明は信じられない』との異論が、スポーツ紙にさえ出たのです。その後の暴行騒動で、『あの青あざも、結局は関係があったんだろう』と推測している関係者は少なくありません」

 ヤクルトからFAで巨人に入団した野球評論家の広澤克実氏に、「中田の巨人移籍についてどう思うか?」と取材を依頼した。

「私は中田くんが、やはり日ハムからリスタートすることが最も理想的だったと、今でも思っています。ファンから残留を求める署名活動が起こり、日ハムの選手会も『もう一度、中田選手とやり直したい』と声明を発表、その声をフロントが受け止めるというシナリオです。ただ残念なことに、それが現実のものになることはありませんでした」

 一方、“受け入れる”格好の巨人ファンだが、賛否両論、真っ二つという状況だ。

中田は“紳士”か?

 Twitterを見てみると、《更生してくれ》、《制御できそう》と好意的な投稿もあるが、《ちょっと納得いかない》、《素直に応援出来ないなあ》、《なんかしらけます》と批判的なツイートも拮抗している。

 巨人の創設者である正力松太郎(1885〜1969)は、「巨人軍は常に紳士たれ」の遺訓を残した。果たして中田翔は“紳士”なのだろうか──?

「正力氏の遺訓を文字通りに受けとめれば、確かに『巨人に中田はいらない』というファンの声も非常に理解できます。ただ、甘いと言われるかもしれませんが、私としては中田くんが心から反省している以上、もう一度だけチャンスを与えるべきだと思います。今回のトレードは、日ハムと巨人という2球団だけの話ではなかったはずです。いわば日本のプロ野球界が中田に最後のチャンスを与えたと見るべきだと思います」(広澤氏)

 だが、中田の成績を冷静に振り返ってみると、そもそも“大打者”なのかという疑問が浮上する。

 中田は日ハム入団から2シーズン目の2009年に初めて1軍出場を果たした。それから昨シーズンまで、通算12シーズンで1軍生活を送っている。今シーズンは打撃不振で、出場試合数は39試合にとどまっている。

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