【韓国】 8月15日に竹島上陸を敢行した国会議員の裏事情と各民間企業の反日記念アイテム
失職免除と引き換えに
韓国の最大野党所属の洪碩晙(ホン・ソクジュン)議員が、8月15日の光復節に合わせ竹島に上陸した。その様子は、竹島を管轄する慶尚北道の公式YouTubeチャンネルと議員の地元にある大邱サイバー大学のYouTubeチャンネルを通じ、“領土主権の強化”を訴える目的でライブ配信された。羽田真代氏によるレポート。
国会議員による竹島上陸は2019年8月以来のことだ。その時は与党・共に民主党の議員らが、日本による“輸出規制撤回”及び“強制動員などの歴史反省及び謝罪”を求めたことによる上陸であった。
今回の洪碩晙議員の竹島上陸は、日本が東京五輪のホームページに竹島を日本領として表記し、「五輪を独島(竹島の韓国名)領有権主張の宣伝の場に活用した」ことへの抗議だと説明されている。もっとも彼は、7月に公職選挙法違反の疑いで罰金90万ウォン(約8万5000円)の支払いを命じられたばかりだ。1審で罰金700万ウォン(約66万円)を言い渡されていたにもかかわらず、7月の判決では大幅に減刑されたという経緯がある。
韓国では罰金100万ウォン(約9万5000円)以上になると議員を失職することになるから、90万ウォンというぎりぎりのラインでの判決言い渡しには「裏がある」と見られている。加えて、彼の選挙地盤は韓国側が独島の所属としている慶尚北道の大邱市。失職免除と引き換えに、竹島上陸カードが用意されたのではないか考えるムキもある。
民間企業による反日記念アイテム
それはともかくとして、毎年のことながら、韓国では光復節に合わせ様々な反日運動が繰り広げられる。今回、この洪碩晙議員の他にファッション業界ではSPAという人気ブランドが独立記念館と提携してコラボTシャツを発売した。ムクゲ(韓国で愛されている花)、太極旗、光復軍(大韓民国臨時政府の軍隊組織)のバッジなどが描かれ、光復節を称える限定版商品を販売し、収益金の一部は独立記念館に寄付されるそうだ。
米国のコーヒーチェーン、スターバックスコーヒーコリアからは木蓮が描かれたマグカップとタンブラーが発売された。光復(日本統治からの解放)のために力を注いだ愛国烈士の崇高な犠牲を称える意味を盛り込んでいるという。
文房具ブランドのモナミは、光復軍が1940年当時に着用していた衣服の色とボールペン・パッケージの色を合わせた“153 ID 8・15ボールペンセット”を販売、ケースには独立運動で活躍した金九(キム・グ)の自叙伝「白凡逸志」の一部内容が印刷されている。この他にも安重根(アン・ジュングン)や柳寬順(ユ・グァンスン)など、韓国で偉人として称えられている8人の姿が描かれた偉人エコバッグセットや太極旗バッジとネックレスの制作キットも販売している。
コンビニ業界大手のCUは“独島”が描かれたマッコリ、焼酎、弁当を商品化した。マッコリは国内産のコメにムクゲの抽出エキスを配合し、近隣の鬱陵島の海洋深層水を加えて醸造されている。
焼酎も同じく韓国産のコメと鬱陵島海洋深層水を主原料としており、「40240 独島焼酎」という商品名で販売されている。商品名に込められた“40240”は、竹島の郵便番号だ。鬱陵島のCUではミネラルウォーターよりもこの独島焼酎の方がよく売れるという。ハンギョレ新聞によると「独島焼酎は、独島や鬱陵島を訪問した観光客らにとって“必ず買わなければならない商品”になっている」そうだ。
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