中田翔は巨人に放出…「無期限出場停止処分」を食らった選手やコーチがやったこと
審判に“殺人ボール”を投げる暴挙
一方、90年代にも球界を揺るがす事件が起こっている。審判に“殺人ボール”を投げつける暴挙で、無期限出場停止となった巨人のバルビーノ・ガルベスだ。98年7月31日の阪神戦、ガルベスは6回、先頭の坪井智哉に対し、2球続けて微妙なコースをボールと判定されたあと、右越えソロを浴びた。
直後、ガルベスは「お前のせいだ」とばかりに、橘高淳球審に激しく詰め寄った。長嶋茂雄監督が駆けつけ、ベンチに連れ戻そうとしたが、怒りが収まらないガルベスは途中で振り向きざま、約30メートル離れた橘高球審に向かって全力でボールを投げつけた。ボールは頭上約2メートルの高さにそれたが、一歩間違えれば、“大惨事”になるところだった。
退場を宣告されたガルベスは、球団から無期限出場停止と制裁金4万円が科せられたが、翌年に復帰して、巨人史上初の外国人の開幕投手を務めている。
これら3つの事件は、いずれも無期限出場停止が相応と言えるが、近年では、グラウンド外での不祥事やチームの和を乱す行為などに対し、球団が無期限の出場停止や謹慎を科す例が多い。
2012年に西武の涌井秀章が、写真週刊誌に女性問題を報じられ、無期限登録抹消(1ヵ月後に解除)、18年には、巨人の篠原慎平と河野元貴がインスタグラムへの不適切な投稿で無期限出場停止となった。また、昨年には西武の相内誠と佐藤龍世がコロナ自粛期間中に無断外出し、89キロ超えのスピード違反を犯した一件で、無期限対外試合出場禁止処分を受けている。このほか、記憶に新しいが、今年はロッテの清田育宏が、コロナ感染防止の球団ルールに違反したことが発覚し、無期限謹慎(5月の処分解除後に再び違反し、契約解除)となっている。
処分を受けた選手は、状況や時期の違いこそあれ、いずれも退団・移籍しているという点で共通している。冒頭で触れた中田も結局、彼らと同じ運命を辿ってしまった。
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