幅寄せで4人を死傷させた建設会社社長 近隣住民が『ああ、やっぱりね』と言うワケ
昨年12月13日、群馬県伊勢崎市の北関東道を走行中の乗用車が伊勢崎インターチェンジのガードレールに衝突して4人が死傷した。この事件で群馬県警は8月10日、幅寄せして事故を誘発し逃走した栃木県真岡市の建設会社社長・増山邦夫容疑者(54)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)と道路交通法違反(救護義務違反)の容疑で逮捕した。
***
事故が起こったのは、13日の午前3時50分頃である。伊勢崎市三和町の北関東道西行きで、女性4人が乗った乗用車が本線と伊勢崎インターチェンジの分岐にあるガードレールに衝突し、乗用車を運転した女性と左後部座席の女性が死亡。右後部座席の女性は重症、助手席の女性は軽傷だった。
当初、単独事故と見られていたが、助手席に乗っていた女性が「並走していた車に急に幅寄せされた」と証言し、遺族らが県警に事故の原因究明を求める上申書を提出していた。
二面性を持った人物
県警は、現場周辺のサービスエリアに設置された防犯カメラなどから、事故前後に走行した100台以上の車両を調べた。その結果、対向車のドライブレコーダーに、現場を通過する増山容疑者の車が写っていたことを突き止めた。
増山容疑者は、逮捕前の任意聴取で現場付近を走行中に大きな音を聞いたと供述していたが、逮捕された後は、「今は何も答えたくありません」と語っている。無責任極まりないこの男、どんな人物なのか。
「まあ、正直言って、二面性がある人ですね」
と語るのは、増山容疑者をよく知る、近所の住人である。
「人に対して、表面上は穏やかで好人物のように接するのです。子どもが通っていた小学校のPTA会長を務めたこともありますしね」
ところがその反面、非常に利己的なところがあるという。
「彼は父親が設立した建設会社、増山工業株式会社の社長を務めています。社員は15人ほどですが、残業をさせても残業代を払わないそうです。日曜出勤しても休日手当も出さないので、社員から不満の声が上がっていますよ。つまり、お金に汚い人、ケチなんです」(同)
増山容疑者は工業高校を出た後、地元の工業大学に進学したという。
「大学卒業後、修業のために東北地方にある建設会社に勤務。30歳過ぎてから増山工業に入社しています。奥さんも増山工業で事務の仕事を担当しています。子どもは3人いて、長男が大学生で、次男と長女が高校生です」(同)
[1/2ページ]