吉田輝星、中村奨成もプロではさっぱり…「甲子園バブル」という“悲しい現象”
8月10日に開幕した全国高校野球選手権。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、残念ながら、今年は無観客での開催となったが、それでも高校球児にとって最高の舞台であることに変わりはない。また、プロ入りを狙う選手にとっては、甲子園は各球団のスカウトをアピールする場で、ここでの活躍が将来に影響することは間違いないだろう。そこで今回は甲子園出場とドラフトの指名順位という点に着目して、どのような傾向があるのか、分析してみたい。
甲子園出場の経験がない選手は7人
2016年から昨年までのドラフトで上位指名された高校生を以下のようにまとめてみた。
・2016年ドラフト
<甲子園出場>
今井達也(西武1位、作新学院)、藤平尚真(楽天1位、横浜)、寺島成輝(ヤクルト1位、履正社)、堀瑞輝(日本ハム1位、広島新庄)※外れ外れ1位、高橋昂也(広島2位、花咲徳栄)
<甲子園未出場>
古谷優人(ソフトバンク2位、江陵)
・2017年ドラフト
<甲子園出場>
清宮幸太郎(日本ハム1位、早稲田実)※7球団競合、中村奨成(広島1位、広陵)※2球団競合、安田尚憲(ロッテ1位、履正社)※外れ1位、村上宗隆(ヤクルト1位、九州学院)※外れ1位、吉住晴斗(ソフトバンク1位、鶴岡東)※外れ外れ外れ1位、西川愛也(西武2位、花咲徳栄)、山口翔(広島2位、熊本工)
<甲子園未出場>
石川翔(中日2位、青藍泰斗)
・2018年ドラフト
<甲子園出場>
小園海斗(広島1位、報徳学園)※4球団競合、根尾昂(中日1位、大阪桐蔭)※4球団競合、藤原恭大(ロッテ1位、大阪桐蔭)※3球団競合、吉田輝星(日本ハム1位、金足農)※外れ1位、太田椋(オリックス1位、天理)※外れ1位
野村佑希(日本ハム2位、花咲徳栄)、増田陸(巨人2位、明秀日立)、小幡竜平(阪神2位、延岡学園)、渡辺勇太朗(西武2位、浦和学院)
・2019年ドラフト
<甲子園出場>
石川昂弥(中日1位、東邦)※3球団競合、奥川恭伸(ヤクルト1位、星稜)※3球団競合、森敬斗(DeNA1位、桐蔭学園)、西純矢(阪神1位、創志学園)※外れ1位、宮城大弥(オリックス1位、興南)※外れ外れ1位、黒川史陽(楽天2位、智弁和歌山)、井上広大(阪神2位、履正社)
<甲子園未出場>
佐々木朗希(ロッテ1位、大船渡)※3球団競合、堀田賢慎(巨人1位、青森山田)※外れ外れ1位、紅林弘太郎(オリックス2位、駿河総合)
・2020年ドラフト
<甲子園出場>
高橋宏斗(中日1位、中京大中京)※夏の甲子園交流試合出場、井上朋也(ソフトバンク1位、花咲徳栄)※外れ1位、元謙太(オリックス2位、中京)、中森俊介(ロッテ2位、明石商)
<甲子園未出場>
山下舜平大(オリックス1位、福岡大大濠)※外れ1位、笹川吉康(ソフトバンク2位、横浜商)
過去5年間のドラフトで、上位指名(1位、2位)で指名され、プロ入りした高校生は全部で39人に及ぶ。そのなかで、甲子園出場の経験がない選手はわずか7人しかいない。
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