「五輪野球の決勝を長嶋茂雄氏がハマスタで生観戦」スクープが闇に葬られた水面下の事情

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どうして“あやふや”なままで続報がないのか

 8月7日に行われた東京五輪・野球の決勝戦でアメリカ代表を2-0で下し、金メダルに輝いた侍ジャパン。メダル獲得は17年越し、さらに悲願の金メダルで日本中が湧いたのは記憶に新しいが、決勝当日の朝、一部スポーツ紙がある“スクープ”を放っていたことをご存じだろうか。

<侍 日米決戦 ミスターに金メダルを!韓国戦前に生電話、決勝生観戦へ>(スポニチアネックス)

 野球日本代表を率いながら2004年のアテネ五輪直前に脳梗塞に倒れた、ミスターこと読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏(85)。五輪開会式では王貞治(福岡ソフトバンクホークス取締役会長)、松井秀喜の両氏を伴って、国民栄誉賞トリオとして聖火ランナーも務めた。

 そんな長嶋氏が、「体の調子が良ければハマスタ(横浜スタジアム)に来場し、日本の金メダル奪取を見届ける」というこの記事は、日本の金メダル獲得の期待が高まる中、読者の関心を集めた。しかしミスターは現れず、結果的に“誤報”となってしまった。

 東京五輪取材を担当したメディア企業の一人が言う。

「野球の決勝戦へのミスター来場が裏で進められていたのは事実です。ただ、ある事情で急転直下“中止”になってしまった。しかも単なる“中止”ではなく“元々なかったこと”にされてしまったのです。ただ、ネットやSNSの一部は、『ニュースで取り上げられていたはずの長嶋さんの来場は、どうして“あやふや”になったままで続報がないのか』などと、疑問の声が上がっていました」

 決勝直前、闇に葬りさられるかのように、“なかったこと”とされた「ミスターの決勝生観戦」。一体、何があったのか。

大変乗り気だったミスター

 先のメディア企業の一人が続ける。

「長嶋氏の観戦について水面下で動いていたのは、長嶋氏とも昵懇の関係にあった大会関係者。この人物は、開会式で話題になった長嶋氏の聖火リレー参加にも一役買ったことは間違いなく、もちろん長嶋氏も厚い信頼を寄せる『プロスポーツ界のフィクサー』として知られる有力者です」

 そうした強いコネクションもあり、侍ジャパンの面々も“アテネ五輪で病に倒れ、五輪に参加できなかった長嶋氏が決勝の舞台のハマスタで侍ジャパンの試合を生観戦する”という流れになれば、日本中が熱狂して間違いなく金メダル獲得への追い風になると踏み、もろ手を挙げて喜んでいたという。

「実際、長嶋氏本人も、この“生観戦”には大変乗り気だったと言います。長嶋氏のまんざらでもない反応に大会関係者らも前のめりになった。さらに機運を盛り上げようと、『長嶋氏観戦』の情報をスポーツ紙記者にリークし、試合直前に先出しさせようと考えた。その結果があの“スクープ記事”だったというわけです」(同)

 一時はヤフーの「野球トピックス」の上位に食い込むほど注目を集めたこのスクープ。ところが、美談となるはずのニュースに対し、ネット上の反応は関係者やメディアの予想を大きく裏切るものだった。

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