東京五輪で活躍する自衛隊に「赤旗」が難クセ ナチス・ドイツと結びつけようとする姑息
本田宗一郎の至言
朝日新聞をはじめとした大手マスコミが「中止」を求めていた東京オリンピック・パラリンピック。いざ開幕してみれば、アスリートたちの活躍に多くの国民が喝采を送っている。
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大半の競技が前代未聞の“無観客”となった今大会を「成功」とみなすか、あるいは「失敗」と捉えるかは、後世の判断に委ねるしかあるまい。しかし、少しでも「成功」に近づけようと大勢の関係者が努力しているのは間違いない。
中でも、今回の東京五輪において八面六臂の大活躍を見せているのが、日本の自衛隊である。10競技に17名の自衛官アスリートが出場し、柔道女子78キロ級の濵田尚里1等陸尉(30)とフェンシング男子エペ団体の山田優2等陸尉(27)は、見事に金メダルを獲得。また、女子ボクシングの並木月海3等陸曹(22)もすでに銅メダル以上が確定している。
開会式当日の7月23日には、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が東京上空に五輪マークを描き、祝祭に華を添えた。また、縁の下の力持ちとして、各会場の外では日本全国から動員された自衛隊員たちが、同じく全国から応援に駆け付けた警察官とともに酷暑の中で警備に当たっている。ちなみに、各競技の表彰式でメダリストたちのために各国の国旗を掲揚しているのも、陸海空の自衛官である。
表舞台ではアスリートとして躍動し、舞台裏においても大会運営を支える自衛隊。しかし、五輪開催反対を唱えていた一部メディアにとっては、そんな自衛隊の活躍も認められないらしく、こんなタイトルで“難クセ”を付ける記事もあった。『自衛隊目立つ東京五輪 8500人動員 迷彩服姿で警備も』(しんぶん赤旗 7月29日)。
グアムで軍事訓練
記事の中では、「軍隊が本格的にオリンピックにかかわる契機は、ナチス・ドイツ下のベルリン五輪でした」などと、今回の東京五輪とナチス時代の1936年ベルリン大会を結びつけようとするのだが、2008年の北京大会はもちろん、2012年のロンドン大会、2016年のリオデジャネイロ大会、いずれも開催国の軍隊が警備や運営支援に大々的に参加している。
一方、自衛隊の仕事はオリンピック・パラリンピックの支援だけではない。この間、熱海の土石流災害の現場では行方不明者の捜索にあたり、大規模接種センターでは新型コロナウイルスワクチンの接種も行ってきた。もちろん、国防のための訓練にも休みはない。
防衛省は7月30日、陸上自衛隊の「第1空挺団」が在日米軍とともに米領グアムのアンダーセン空軍基地でパラシュートの降下訓練を実施したことを発表した。さる軍事評論家はこの訓練について、次のように解説する。
「これは非常に興味深い動きです。実は五輪開会式が行われた23日から29日にかけて、アメリカのオースティン国防長官がシンガポール、フィリピン、ベトナムを歴訪し、中国への圧力を強めるべく活動をしています。それに呼応するかのように、陸自の第1空挺団110名と、沖縄所在の米陸軍特殊部隊“グリーンベレー”が29日の深夜に横田基地を離陸、約2500km離れたグアム島にそろって空挺降下し、実働訓練を行ったのです。訓練内容は、敵が待ち構える飛行場に降り立ち、島を奪還するための地上戦に移行するというものでした。陸自が米軍とともに直接グアムに空挺降下するというのは、初めての試みです。
ちなみに、横田基地からグアムまでの距離約2500kmというのは、横田から台湾までの約2200km、あるいはグアムから台湾までの約2700kmとほぼ同じ。台湾に対する武力行使をチラつかせて日米を牽制してきた中国としては、間違いなく自国に対する“メッセージ”として受け取ったはずです」
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