【東京五輪】海外「ママアスリート」赤ちゃんの悩み 大量の冷凍母乳を準備した選手も

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 開会からおよそ2週間が経った東京オリンピック。約1万1000人のアスリートのうち、49%が女性というこの大会を、国際オリンピック委員会(IOC)は史上初の「ジェンダーバランスの取れた」大会だと胸を張る。一方で、今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、選手やスタッフにはかつてない厳しい行動制限が課せられている。そうした中で、子どもを持つ女性アスリートは、我が子を東京に連れていくかどうか、難しい決断を迫られていた。

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 延期前の計画では、オリンピックとパラリンピックを合わせて「選手の友人や家族など」約2万1千人が来日し、会場近くのホテルに滞在する予定だった。その後、感染対策のために子どもを含む、家族の帯同が制限されることになった。

 バスケットボール・カナダ代表のキム・ゴーシェ選手は、6月24日、インスタグラムに生後6か月の娘・ソフィーを抱いて動画を投稿した。

「母乳で子どもを育てている母親か、オリンピック選手か、そのどちらかになるかの決断を迫られている。両方は無理みたい」

 同じく、母乳で子どもを育てるアメリカの女子マラソン代表・アリフィーネチェプカーカー・トゥリアムク選手も不安を訴えた。

「東京オリンピックまで、あと6週間。楽しみだけど、悩んでもいる。10日間、私が東京に行っている間も、きっと娘は平気でしょう。それに他の母親にとっては当たり前かもしれないけれど、私は娘と半日でも離れることが想像出来ないのです」

 6月30日、アスリートらの訴えを受けた組織委員会は、乳児などの幼い子どもがいる選手については、家族の入国を認め、選手村以外の管理された場所で面会や授乳などが出来るように制限を見直したのだった。

橋本聖子会長も歓迎

 橋本聖子組織委員会会長は、7月2日、開幕3週間前の会見でこの件について言及した。

「(子どもは)選手村には入れませんけれど、こちらが指定して管理したホテルなど、会って頂く場所を確保して、そこで授乳したり会って頂くことが可能になるよう環境整備をさせて頂きたい。安心してママアスリートに来ていただければ」

 この決定を受けて、先のゴーシェ選手たちは、

「ソフィーも東京に行けることになった! たくさんの人の協力に感謝します」と喜び、今月13日、娘を抱いて東京に発った。

 アリフィーネチェプカーカー・トゥリアムク選手も、「娘も東京に来て、ゴールのところで応援してくれることになった」と喜びを綴った。

 一方で、「子どもを連れて行かない」と判断した選手もいる。子どもは選手村には立ち入ることが出来ないため、選手が授乳の度に選手村の外と行き来することになるからだ。

 アーティスティックスイミングのスペイン代表・オナカルボネル選手は、

「アスリートが子どもを連れて東京に行けることになったけれど、それでも息子を連れて行くのは難しかった」と子連れでの東京行きを断念した。

 特にチームで戦う選手にとっては、感染リスクを考えると選手村とホテルを往復することは難しいようだ。

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