ワクチン政策失敗で感染拡大、五輪も台無し…菅政権に忍び寄る総選挙大惨敗の足音
首相は自信満々!?
Twitterで検索すると、ハッシュタグ「#菅やめろ」を付けたツイートが多いことに驚かされる。菅義偉首相(72)は7月30日、記者会見を行った。だが、少なくともネット上の有権者は、首相に「NO」を突きつけた格好だ。
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【写真】オックスフォード大学運営の「Our World in Date」
会見の眼目は、東京都と沖縄県に加え大阪府など4府県に新たに緊急事態宣言を発令することだったが、記者も有権者もそんなことに関心はなかったようだ。
首相官邸の公式サイトによると、質疑応答の最後に海外週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」の日本人特派員が、オリンピックの開催が感染拡大を引き起こしていると指摘。
感染拡大を止められなかった場合、「総理の職を辞職する覚悟はありますか。明確にお答えください」と質問した。
これに菅首相は「私の責任で私はできると思っています」と感染対策に自信をのぞかせた。だが、世論は「#菅やめろ」と反発したのは上記の通りだ。政治担当記者が言う。
「菅首相は会見で『高齢者の73%が2回目のワクチン接種を終えた』と胸を張りました。40代と50代で感染拡大が続いていることは認めた上で、対策としてアストラゼネカ製のワクチンを40代以上に承認したと発表。8月下旬には2回の接種を終えた国民が4割に達する見通しも明らかにしました」
だがSNSを見てみると、誰も評価などしていない。少なくともネット上では、有権者は相当に怒っているようだ。
スピードの不満
「アストラゼネカ製のワクチンは、まれに血栓が生じるリスクがあることが分かり、これまで日本政府は公的予防接種には使用してきませんでした。台湾に送られたのは使わなくなった同社のワクチンで、『日本での不要品を渡すのはどうなの?』という疑問の声があったほどです。その方針を撤回するわけですから、『要するにワクチンが足らないんでしょ』と有権者に見透かされています」(同・政治担当記者)
首相の“決断”に、「アストラゼネカ製ワクチンを使ってくれてありがとう」と感謝する声など皆無だ。Twitterを見ると、むしろ異論が相次いでいる。
《最初アストラゼネカダメって言ってなかった?って不安ばかりを残してるのに外出控えろなんて絶対無理》
《血栓も嫌だけど副反応の発熱が激しかったりすると仕事できないから困ります》
《40代〜50代は未だ予約もできず、アストラゼネカを回され、大手企業や大学に行く“上級国民予備軍”には予約無しでファイザーかモデルナ》
そもそも有権者はワクチン接種が遅いことに疑問を抱いている。Twitterを見てみると「遅い」という意見が多い。
計画は7月に接種完了!?
《先進国なのに本当に遅い…》、《菅政権ではワクチンしかできないしそれすら遅い》、《最初は国民全員のワクチン確保と言ってなかった?》──こんなツイートは枚挙に暇がない。
「菅首相は、政権支持率を上げて総選挙で自民党が勝利するためには、オリンピック・パラリンピックを有観客で開催することが重要だと考えていました。そのためワクチン接種を最重要の政策と位置づけてきたのです。国民の多くが抗体を持っていれば、感染拡大リスクが減少します。その上での有観客開催なら、世論は理解してくれると思っていたのです」(政治担当記者)
菅首相は今年1月の参院本会議で、東京五輪については「ワクチンを前提としなくても開催できるよう準備を進める」と発言するなど、予防線は張ってきた。だが、政権内部では「五輪までにワクチン接種をできるだけ進める」ことを計画してきたことが明らかになっている。
「朝日新聞などが報じましたが、政府内部では高齢者の接種を3月下旬から開始し、6月までに2回目を終えるよう計画していました。東京五輪の開幕日である7月23日をデッドラインに設定し、『できれば7月上旬までに一般国民に行き渡らせるのが理想』という幹部の声が記事(末尾:註1)に紹介されています」(同・政治担当記者)
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