【東京五輪】「朝日」「毎日」と「読売」でこんなに違う報じ方 菅政権との距離が原因か
阿部兄妹の報道
「開幕式の翌日、7月24日の朝刊で読売新聞はシンプルに『東京五輪 開幕 コロナ厳戒下 57年ぶり開催』と大きな見出しを打ち、日本選手団が入場する写真を大きく使いました。一方の朝日新聞は『東京五輪 コロナ下の開幕』、毎日が『東京五輪開幕 1964年以来2度目 コロナ下 無観客』と、醒めたトーンを全面に出しました」(同・記者)
ところが7月26日の朝刊を見ると、朝日新聞が“方針転換”を試みたことが分かる。
この日、読売新聞の1面トップでは「阿部兄妹『金』」と大きな見出しが躍った。柔道の阿部一二三(23)と妹の詩(21)が金メダルを持った2ショットも同じように大きい。
「毎日新聞の1面トップは『厳戒下の祭典で』というキャンペーン記事でした。見出しは『「我慢しても変わらない」渋谷の夜 人減らず カラオケ店に列/路上で飲酒』というものでした。内容も同じで、緊急事態宣言下でも賑わう渋谷の夜を記者が歩き、ルポ的に報告するというものでした。阿部兄妹の金メダルは左側に押しやられており、東京五輪に批判的なスタンスが維持されていることが分かります」(同・記者)
そして最後の朝日新聞なのだが、1面トップは「兄妹で『金』家族とともに」と、やはり阿部兄妹の金メダル獲得を大きく報じたのだ。
3紙ともスポンサー
おまけに、1面の真ん中には「第3日 日本のメダル」のコーナーがあり、25日には4つの金メダルを獲得したことも明記されている。なかなかの“手のひら返し”な紙面構成なのだ。
「7月28日からは東京の感染者数が増加しているので、1面トップはコロナですが、その下半分は金メダルラッシュを詳報しています。結局のところ、五輪そのものの問題というより、菅政権に対するスタンスで3紙のスタンスは決まったと思います。菅首相に批判的な朝日と毎日は五輪にも否定的、政権に近いとされる読売は五輪も肯定的ということでしょう。とはいえ、3紙とも五輪のスポンサーなのです。五輪が盛り上がっていると判断すれば、朝日だけでなく毎日も“手のひら返し”の紙面になってもおかしくないでしょう」(同・記者)
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