なでしこチリに苦戦 “デュエル”の意識に乏しい高倉監督 次は外国人監督の必要性

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「個の力」が欠如

 FIFAランキングが本当の実力かはさておいて、男女ともベスト10は「なるほど」と思える国がランクインしている。

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 例えば男子は21年5月27日現在、1位はベルギーで、以下フランス、ブラジル、イングランド、ポルトガル、スペイン、イタリア、アルゼンチン、ウルグアイ、デンマークという順位で、日本は28位だ。

 女子は20年6月26日から更新されていないが、1位はアメリカで、以下ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、イングランド、オーストラリア、ブラジル、カナダ、北朝鮮で、日本は11位にランクインしている。

 そのランク通り、なでしこジャパンは8位タイのカナダと1-1で引き分け、6位のイングランド(実際には連合チームのイギリス)に0-1で敗れた。

 そしてチリ戦である。彼女たちのランクは37位とニュージーランドの23位よりも下だ(今回の五輪参加チームでランクが最も低いのはザンビアの100位)。しかしながら、イギリスに0-2、カナダには1-2と敗れたものの、ニュージーランドや中国(15位)のように大敗はしていない。

 ここらあたりがFIFAランクの“マジック”と言える。

 案の定、日本はグループリーグ最終戦でチリに苦戦した。とてもFIFAランク11位対37位の試合内容ではなかった。

ボールが奪えない「なでしこ」

 日本は前の2試合と違い、立ち上がりから軽快にパスをつないでチリゴールに迫ったものの、17分に杉田妃和(24)がGKと1対1から放ったシュートは長身GKクリスティアン・エンドレル(30)にブロックされ、21分の岩渕真奈(28)の決定機もシュートはDFに阻まれた。

 チリも勝利すれば決勝トーナメント進出の可能性があるため、日本ボールになると前線の2トップも自陣深くまで戻り守備に加わるなど守備意識が徹底されていた。

 加えて、これはイギリス戦にも当てはまるが、1対1はもちろん2人、3人がかりでも日本はチリの選手からボールを奪えなかった。プレスがハマりそうでハマらず、複数人が置き去りにされカウンターのピンチにつながった。

 攻撃ではパスと判断のスピード不足でカナダとイギリスに遅れを取り、守備では3試合とも「個の争いでボールを取り切る力」がないことで、試合の流れを引き寄せることができなかった。

 もともと日本の男子代表は、ヨーロッパや南米、アフリカ勢と比べてフィジカルで劣るのは仕方がないと諦めていた。

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