大阪・池田の“サウナ市長”が出直し市長選に出馬表明 奇しくも会見場は“サウナ状態”

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維新の会も批判

「えっ、ホントに立候補するんですか? 信じられません……」――地元有権者の多くが一様に目を丸くした。(ジャーナリスト・吉村剛史)

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 大阪府池田市役所に家庭用サウナをはじめ生活用品など大量の私物を持ち込むなどした問題を受け、30日付で辞職する冨田裕樹市長(44)が27日、一連の騒動を釈明する記者会見を行った。

 サウナ持ち込みやタクシーチケットの不適切使用を認めて婉曲に謝罪。その一方、職員へのパワハラをはじめとするその他の問題について「旧政治勢力による策謀」を指摘し「でっちあげ」「曲解」などと主張した。

 さらに「池田の古い政治を刷新する」として、自身の辞職に伴う8月29日投開票の市長選に、無所属で出馬する意向も表明した。

「まるでサウナじゃないか」──。この日の会見は池田市庁舎6階の狭い会議室で行われ、詰めかけた報道陣ですし詰め状態になった。

 室温28度設定の空調は全く効かず、一時は約35度にまで上昇。「いくら“サウナ市長”の会見でも会見場が蒸し風呂状態というのは悪い冗談」だとこぼした一部記者の声を受け、広報担当職員らがあわてて窓を全開し、扇風機で換気に努めた。

 しかし、それでも30度以上の熱気が去ることはなく、額に汗を浮かべた報道陣の中には、延々2時間弱にわたって繰り言のように一連の騒動の釈明する冨田氏の前で、メモを取ることも放棄し、ICレコーダーに任せて居眠りする姿も見られた。

市議会は刑事告発

 そもそも冨田氏のサウナ問題は昨年10月、デイリー新潮のスクープで明るみに出た。市役所の市長控室や女子トイレなどに、家庭用サウナ、エアロバイク、冷蔵庫、ベッド、カセットコンロなど多数の私物を持ち込んでおり、その様子は動画でも報じた。

 その後、タクシーチケットの不正使用なども発覚し、市議会は同年11月、市長の不適切な庁舎使用等に関する調査特別委員会(百条委)設置案を可決。この際、冨田氏は「一身上の都合」を理由に大阪維新の会を離党していた。

 パワハラなどの問題も相次いで指摘され、百条委ではパワハラ行為を認定した。市議会は今年4月、百条委の「市長としての資質に著しく欠ける」「不信任決議が相当」とする調査報告書案を可決したが、不信任決議案自体は大阪維新の会池田の市議に加え、公明党市議3人が反対に転じたことなどで否決された。

 高齢者への新型コロナワクチン接種にめどをつけたいと訴えていた冨田氏は、今月9日、30日付での辞職願を議長に提出していた。

 池田市議会はこの間、冨田氏が百条委で虚偽証言をしたとして、地方自治法違反容疑で大阪地検特捜部に刑事告発している。

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