揃って「金」の阿部兄妹、バブル違反で“両親にメダル”の感動場面はNGに
東京オリンピック前半戦最大の見せ場だったろう。
7月25日、柔道男子66キロ級の阿部一二三(23)と女子52キロ級の阿部詩(21)が兄妹揃って金メダルを獲得した。
ところが、
「二人が“重大なルール違反”を犯したことが露見したのです」
と五輪を放送するテレビ関係者が声を潜める。
試合当日夜、兄妹の両親と長兄が都内ホテルで取材に応じた。時節柄、朝日新聞の記者が各社を代表してインタビューを行った。
記事はこんな具合だ。
〈一二三が父に、詩が母に、それぞれのメダルをかけた。(母の)愛さんは「重みがあって、これがオリンピックの金メダルなんだなって実感しました。抱きしめてくれたので、最高にうれしかったです」〉(朝日新聞デジタル7月26日配信)
なんとも微笑ましい光景に思えるが、実はこれこそが“重大なルール違反”だったのである。
「兄妹は、外界との接触が禁止された、いわゆる“バブル内”。ですので、バブル外の人と会って抱き合う行為は、たとえ家族であっても“バブル破り”になるんです」
選手たちは、宿舎(兄妹の場合はナショナルトレーニングセンター)と練習場所、試合会場以外には足を運べない決まりだ。家族とどこで会ったのか?
編集部が独自のルートで入手したインタビュー音源を聴くと、記者のこんな発言が残されていた。
「先ほどロビーの方でお会いしてましたけど……」
「先ほどメダルもかけていただいてましたけど……」
つまるところ記者も兄妹の“お忍び”を目撃していたわけだ。しかし、それが見てはいけない場面だということに思いが至っていない様子。ご家族ともども兄妹の“ルール違反”に気付いていなかったようなのだ。
〈接触したことがわかる発言はNG〉
ほのぼのとした家族のインタビュー記事は25日深夜から26日朝にかけて各媒体で報じられた。
事態が動いたのは、その直後だった。
大手メディアの間で以下の文章が回覧された。
〈先ほど、阿部選手の事務所から昨日のご家族取材の件でお電話がありましたので共有致します。インタビューの中で、メダルを掛けてもらったお話などをされていましたが/本来、五輪期間はご家族でも接触が禁止されているため、全柔連の方から注意があったそうです。そのため、今後は『試合後にご家族と接触したことがわかる発言』部分は使用NGとなりました〉
実際、その後この件に関する報道はない。コロナ禍での五輪開催の苦労が窺える。
詳しくは7月29日発売の週刊新潮で報じる。