U-24日本代表が勝利のウラにメキシコの慢心 南ア戦とは違った レフェリー

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久保の先制弾

 電光石火の先制点だった。

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 開始6分、右SB酒井宏樹(31)のタテパスに抜け出した右MF堂安律(22)が右サイドを突破。マイナスのクロスを送ると、後方から走り込んできたMF久保建英(20)が左足アウトサイドでGKギジェルモ・オチョア(36)の手の届かない左上に先制点を突き刺した。

 2試合連続ゴールの久保は「堂安選手が左手で相手を抑えたときに、自分のところにボールを出してくれると思ったので、走り込んであとは落ち着いて決めるだけでした」と冷静だった。

 ゴールの予感はあった。

 初戦の南アフリカは全員がドン引きでゴール前を固めてきた。2戦目のメキシコは、日本が初戦の緊張感から解放されたと同時に、北中米の雄はオープンな戦いを選択した。初戦で優勝候補のフランスを4-1と撃破したことで、「自分たちのサッカーをすれば負けない」という自信があったのかもしれない。

 ところが先制点のシーンでは、堂安のクロスに日本は中央にFW林大地(24)、後方から走り込んだ久保、ファーサイドに左MF相馬勇紀(24)と3人の選手がペナルティエリア内にいたが、メキシコも、ペナルティエリア内には同数の3選手しかいなかった。

フェアだった審判

 それだけ日本の攻撃が速かったと言えるが、3人以外のメキシコの選手は戻りが遅れた。“自信”が“慢心”にすり替わっていたのかもしれない。

 2点目も同様だ。

 相馬はマーカーのDFセサル・モンテス(24)をフェイントで惑わすのではなく、タテへと勝負し、パスコースがあると間髪入れずにクロスを送った。このときも日本は、ペナルティエリア中央に林、ファーサイドに堂安がいたが、メキシコも林のマークに2人、堂安に1人と3対3の状況(モンテスとペナルティエリア左に1人いたが、この2人は死に体)だった。

 結果としてVARからのフィールドオンレビューで、相馬へのアフタータックルがあったと主審は判断し日本はPKを獲得。これを堂安は豪快に中央上に決めた。

 南アフリカ戦では、ベネズエラ人のバレンズエラ主審の不可解なイエローカードやホイッスルに戸惑う場面があった。しかしメキシコ戦で笛を吹いたポルトガル人のダイアン主審は、「これがスタンダード」というジャッジを見せた。

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