三菱UFJ銀行が「AI面接」を導入 面接の精度は向上する?

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大企業ともなると、内定を得るまでに数度の面接をクリアする必要がある。その面接の一部に、今年から人工知能(AI)を導入したのが三菱UFJ銀行だ。

 就活体験談を載せたサイトによると、同行の入社試験は筆記試験・適性検査、そして1次~5次面接へと進む。銀行からすると膨大な受験者を絞り込むわけで、採用担当者の負担も生半可ではない。そこで、1次面接にAIを試験導入した。

「当行で採用が始まるのは6月からですが、受験者に質問シートを送り、パソコンのカメラの前で答えてもらいます。面接官はその録画を見て評価するのですが、同時にAIが分析し、面接官にアドバイスをする。質問内容は例年とそれほど変わりません。学生時代に何かに打ち込んだことがあるか、自分の長所はどんなところか、といったものです」(広報担当者)

 入社面接といえば人対人の真剣勝負かと思ったら、時代も変わったものである。しかし、面接を受ける側からすると、AIに人生の一大事を握られている気もする。うっかり、目が泳いでいたりすれば、AIが目ざとく「×」をつけたりするのだろうか。

 同行が導入したAI面接システム「im AIエクスプレス選考」を開発した「スタジアム」社の担当者によると、

「AIが受験者のどんな部分をチェックするのかは、三菱UFJ銀行さんが独自にカスタマイズします」

 そこで、再び同行に聞いてみる。

「受験者の目が泳いでいたら人間の面接官でも分かりますよ。当行は送られてくるエントリーシートが多く、面接官も沢山の学生に会います。しかし、限られた時間では、評価すべきポイントを見逃しているかもしれない。AIの導入は、面接の精度を上げる効果を期待してのこと。より立体的に人物を評価するのが目的です」(広報担当者)

 人事コンサルタントの城繁幸氏が言う。

「三菱UFJだけでなく、採用にAIを使う企業は増えています。一般に1次面接は、中間管理職が行うことが多いのですが、評価基準はバラバラ。好き嫌いが入るし、自分と同じ大学だと点数が甘かったりする。一方、AIは妙な主観が入りません」

 というわけで、AI面接は野村證券やみずほFGなども導入に動いている。

週刊新潮 2021年7月22日号掲載

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