桐生はアミューズ、錦織と大坂はIMG…アスリートが芸能プロにマネージメントを任せる理由

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アミューズは17年から参加

■IMG

 IMGはスポーツ選手やモデルのマネージメントなどを行う。会社の知名度はそう高くないものの、複数の大物のマネージメントをしていることで知られる。

・錦織圭(31)。出場予定種目、テニス男子シングルスとダブルス。2014年、全米オープン準優勝。2016年、リオデジャネイロ五輪銅メダル。五輪は北京、ロンドン、リオに続いて4度目。世界69位。

 所属は日清食品。スポンサーは日清食品、ユニクロ、NIKE、Wilson、ジャガー、JAL、Weider、JACCS、LIXIL、アサヒビール、エアウィーヴ、NTT、WOWOW、Uber Eats。

 スポンサーの数はトップクラスだ。

・大坂なおみ(23)。出場予定種目、テニス女子シングルス。2018年、全米で日本選手初の4大大会優勝。翌2019年の全豪も制し、世界ランク1位に。2020年の全米と2021年の全豪も優勝。4大大会で通算4勝している。

 圧倒的な強さを誇る一方、6月の全仏の棄権以降はプレーしていないのが懸念材料か。

 所属は日清食品。スポンサーは日清食品、ヨネックス、WOWOW、日産自動車、ANA、NIKE、Mastercard、森永乳業、TAG Heuer、Workday。

 さすがはトップアスリート。スポンサーは一流どころばかりである。

・ダニエル太郎(28)。テニス男子ダブルス。パートナーは西岡良仁(ミキハウス)。

 2016年、リオデジャネイロオリンピック16強。2017年、コパ・シティ・ティグレ優勝。2018年、イスタンブールオープン優勝。2020年、ケーターピラー・バーニー・インターナショナル優勝。

 所属はエイブル。スポンサーはエイブル、Oaklay、Babolat、DIADORA。

 役者ばりのイケメン。五輪で活躍すると、より人気が高まりそう。

・都筑有夢路(20)。出場予定種目、サーフィン。競技を始めたのは11歳。17歳でWSL世界ジュニアチャンピオンに。その後、プロ最高峰であるチャンピオンシップツアーに日本人女子として初参戦。2019年、WSL QS1000 Ichinomiya Chiba Open優勝。

スポンサーはRIP CURL、Oakley、FCS、GRAND MARBLE、GLOBAL WiFi。

 サーフィン界初の五輪女王の座を狙っている。

・石川佳純(28)。出場予定種目、卓球女子シングルスと卓球女子団体。2012年、ロンドン五輪団体銀メダル。2016年、リオ五輪団体銅メダル。全日本選手権ジュニアシングルス4連覇、インターハイ3連覇。10代のころは、ほぼ向かうところ敵なしだった。

 所属は全国農業協同組合連合会(全農)。スポンサーは全農、アシックス、日本卓球、昭和電工マテリアルズ、エアウィーヴ、長州産業、山口フィナンシャルグループ、TOTO、シスコシステムズ、興和。

 ちなみに石川の出身は山口市。地元企業が応援している。

■アミューズ

 次にアミューズ。サザンオールスターズや福山雅治(52)ら大物芸能人を擁する大手芸能プロだが、アスリートのマネージメントに乗り出したのは2017年で、歴史は浅い。社のモットーの1つが「感動だけが、人の心を撃ち抜ける」という言葉であることから、参入は不思議ではなかった。

・大迫傑(30)。出場予定種目、マラソン。2020年3月の東京マラソンで2時間5分29秒をマーク。自身が持っていた日本記録を塗り替えた(当時)。

 2017年、ボストン・マラソン3位。同年、福岡国際マラソン3位、2018年、シカゴ・マラソン3位。2019年、五輪選考のMGC3位。3000メートル、5000メートルの日本記録保持者でもある。早大時代の箱根駅伝では2回、区間賞を獲得した。

 所属はナイキ。スポンサーはマニュライフ生命保険。

・畠田瞳(20)。出場予定種目は体操女子の個人総合と団体総合、種目別。2019年、全日本選手権個人総合3位。同年のユニバーシアード4冠。

 所属はセントラルスポーツ。早大スポーツ科学部に在学中。

・桐生祥秀(25)。出場予定種目、400メートルリレー。2016年リオ五輪の400メートルリレーで銀メダルを獲得した。

 東洋大在学中の2017年には日本学生陸上競技対校選手権大会の100メートルで9.98秒を記録。日本人として初めて10秒を切った。このタイムは今も日本学生記録のまま。

 所属は日本生命。同社とアシックスのCMに出演中。

 アスリートが活躍すればするほど企業には魅力的になる。その時、芸能プロの手腕の見せどころとなる。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮取材班編集

2021年7月25日掲載

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