「森元首相を名誉最高顧問に」案が浮上で「どうして森さんはそこまで評価されるのか?」
森さんを祭り上げる人たちばかりに
「女性蔑視発言」騒動で辞任を表明した後も、記者に対して「余計なことを申し上げたのか、これは解釈の仕方だと思う」「多少意図的な報道があった」とこぼしてしまう。これがまた彼を快く思っていないメディアからは「反省していない」などとつつかれ、炎上の火種となった。
しかし、その見え方は森氏の近くにいると違ってくるという。
「とにかく、『味方』『子分』に対しては面倒見の良い人なんですよ。2012年に国会議員を引退した後も自身のパーティーを開いて集金し、それを原資に派閥の若手を中心に”サポート”していました。今の時代の永田町にそんなことをやってくれる先輩はほぼいません。だから森さんファンは多く、それで森さんに頭が上がらないということはありますね。結果として周辺には森さんを祭り上げる人たちばかりになっている。その人たちは森さんが国への最後のご奉公ということで東京五輪に全力を傾けてきたことに報いたいと考えているのでしょう」
「女性蔑視発言」問題の後、周囲に慰留されたものの辞任不可避となると、森氏は川淵三郎氏に後任を委ねようと個人的に動いた。が、この慰留も川淵氏への禅譲も世論の猛反発を受けたのは記憶に新しいところである。名誉最高顧問職就任もおぼつかないかもしれない。
「そうですね。森さんが辞めた後に橋本さんが就任したのは、『とにかく女性を』の声を受けてのものでした。森さんが再び組織委に関係するとなると、日本の『女性蔑視』体質がつつかれかねない。官邸はこれ以上の混乱は避けたいということで、名誉最高顧問案についてはNGを出しているようです」
「名誉最高顧問就任」案の第一報が朝日新聞というあたりも興味深いところだろう。もともと森氏と朝日の相性は良くない。この報道自体が、名誉顧問就任を阻止するのに一役買う可能性もある。
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