小山田圭吾と小林賢太郎の驚くべき共通点 今後、組織委がやらねばならないことは?
7月23日の東京オリンピック開会式でショーの演出を担当するはずだった元お笑いコンビ「ラーメンズ」の小林賢太郎(48)が解任された。コンビ活動時代、ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を盛り込んだコントをやっていたことが問題視された。式の楽曲担当者を辞職したミュージシャン・小山田圭吾(52)と同じく人権意識が問われた。
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小林は1年前まで俳優の片桐仁(47)とお笑いコンビラーメンズを組んでいた。
問題視されたのは1998年に発売されたビデオソフト。2人が演じるコントにホロコーストのネタが盛り込まれていた。
2人がテレビ番組用に文字で構成された野球場をつくるというコントだった。
小林「いままでだったらね、新聞紙丸めたバット。ところが今回はここにバットって字を書くんだ」
片桐「あー、あー、あー」
小林「今までだったらね、ただの丸めた紙の球。ここに『球』っていう字を書くの」
片桐「うーん」
小林「そしてスタンドを埋め尽くす観衆、これは人の形に切った紙でいいと思うんだけど、ここに『人』って文字を書くんだ」
そして片桐は「ちょうど人の形に切ったのが(注・紙)たくさんあるから」と言うと、小林が「あー、ユダヤ人大量惨殺ごっこやろうって時のな」と言葉を返した。
このコントの話は21日深夜からツイッターで拡散が始まった。SNSによって小山田によるイジメのインタビュー記事が広まったのと全く同じ構図だ。
同日のうちに米ユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米国ロサンゼルス)が小林を厳しく非難する声明を出した。
「どれだけ創造性のある人物でもナチスによるジェノサイド(民族大量虐殺)の犠牲者をあざける権利はない」(サイモン・ウィーゼンタール・センター)
直後から組織委は調査に動き始めていた。
第2次世界大戦下でナチ体制の絶滅政策によって命を奪われたユダヤ人は約600万人にも上る。ドイツではナチスの犯罪に時効はない。さらに「ホロコーストはなかった」と流布することもドイツやオーストリアでは犯罪になる。小林は知らなかったのか……。
民放関係会社から五輪組織委員会へ幹部として出向している職員はデイリー新潮の取材に対し、「原爆被害を揶揄されたら、日本人は激怒する。それと同じ。若い時のこととはいえ、感覚が理解できない。最初から辞退してほしかった」と語気を強めた。
この職員は幹部でありながら、小林の起用を知らされていなかった。大半の職員は7月14日の発表で知ったという。
「正直なところ、小林氏は不条理コントの人だと思っていましたから、起用を訝しむ職員が多かった」(同・民放関連会社から五輪組織委員会へ幹部として出向している職員)
長野冬季五輪の総合プロデューサーは「劇団四季」創設者の故・浅利慶太さんだったことを考えると、訝しむのも無理はない。
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