フルーツタルトの「キルフェボン」甘味とは言えない「お家騒動」 運営会社「ラッシュ」の株式売却が発端

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不当解雇

 洋菓子店「キルフェボン」のフルーツタルトは、蒼井優やシシド・カフカ、横澤夏子といった芸能人がおススメするスイーツ。旬のフルーツが彩り鮮やかに盛りつけられる。ところがその運営会社「ラッシュ」では、扱う商品の美しさとは裏腹に、ダーティーな人脈によるお家騒動が持ち上がっていた。

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 ラッシュは1991年にキルフェボン1号店をオープンさせると、その後、東京・青山や銀座、京都、福岡などにも進出し、全国に10店舗を展開し、スイーツ好きを虜にしている。

 キルフェボンを育て上げた創業者は2018年8月、ラッシュの全株式を「ODCキャピタル」なる会社に売却している。それに伴い、古橋麗という経営コンサルタントの女性がラッシュのCEOに就任したが、わずか1年あまりでその職を追われてしまう。

 そればかりか、ラッシュを相手取り、不当解雇による慰謝料の支払いを求めて法廷闘争を繰り広げていたのだ。この古橋元CEOは、「DA PUMP」のメンバーのDAICHIとのバレンタイン婚が報じられた女性である。

循環取引

 古橋元CEOによると、離婚した前夫がラッシュの前オーナーとの交渉にあたり、買収の受け皿としてODCキャピタルを設立。しかし前夫は代表に就かず、顧問税理士を据えた。

 買収価格45億円のうち、手付金5億円は前夫の知り合いの情報サービス会社が出資し、残り40億円を捻出する過程で、怪しげな人物が次々と登場する。

 パチンコ情報会社「梁山泊」による金商法違反事件で元暴力団幹部らとともに大阪府警に逮捕された投資会社元社長や、「みずほ銀行」元社外役員の公認会計士といった面々だ。

 ODCによるラッシュの買収は成立したものの、すぐさま、投資会社元社長と組んだ元社外役員の循環取引疑惑が明るみに出た。循環取引とは、実際には商品を移動させずに帳簿上だけで売買を装い、複数の企業間で転売を繰り返す不正会計の手口だ。

 この疑惑をきっかけに、ODCやラッシュの代表の座などをめぐるお家騒動に発展。古橋元CEOは横領などの疑いをかけられてラッシュを追われたのである。

週刊新潮」2020年4月16日号「MONEY」欄の有料版では、古橋元CEO解任の経緯とお家騒動について詳報する。

週刊新潮 2020年4月16日号掲載

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