酒類取引停止発言のウラに西村大臣の焦り 菅総理の相談相手は小泉大臣という悪い冗談

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止めましょうという声が上がらなかった

 それにしても筋が悪すぎた。官僚OBは言う。

「これだけの事務連絡には、各省庁200人くらいの官僚が関わったはずです。その誰からも、これは国民が反発するはず、止めましょうという声が上がらなかったことは信じられません。おそらく総理の意向が働いている、と考えたのでしょう」

 金融機関も酒販店も免許業種である。監督官庁からの「要請」に逆らうことなどあり得ない。かつて行政指導で民間をコントロールしていた古い霞が関の体質を彷彿とさせる。今、官邸は火消しに躍起になっているという。

「加藤官房長官は西村大臣のせいにして、総理を守ろうとした。自分の責任だと言わないあたりが加藤さんらしいのですが、完全に火消しの方法を間違えましたね」(前出のジャーナリスト)

 しかし、今回の「要請」に関して政府全体で準備していたことが明らかになり、西村大臣の首を飛ばしただけでは収まらないほどの事態に発展している。自民党幹部は苦渋の表情を浮かべる。

「官邸はオリンピックが始まれば、国民は西村発言を忘れると高を括っているようで、このまま頬かぶりするつもりでしょう。しかし、それで国民の怒りは収まるのでしょうか。都議選の予想外の苦戦を見ても、自民党への逆風が強まっているのは明らか。このままでは菅総理で総選挙を戦うのは難しくなります。

 ワクチン接種で支持率を回復しようとしていましたが、これも河野担当相がこれまで楽観的なことばかり言っていましたが、実際は供給不足など問題が起きています。オリンピックの成功で支持率反転を狙うというシナリオも、すでに夢のまた夢というかんじでしょう」

デイリー新潮取材班

2021年7月21日掲載

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