鶴岡八幡宮で宮司による「私物化」「女性関係」が問題に 神職が続々退職

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 源頼朝も崇敬したことで知られる鎌倉・鶴岡八幡宮で神をも恐れぬ騒動が起きている。トップの宮司が神社を私物化し、「女」までいると告発されたのだ。

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 鶴岡八幡宮の起源は平安時代にまで遡る。源頼朝の祖先にあたる頼義が京都にあった石清水八幡宮を勧請(神の分霊を移し祭ること)し、その後、頼朝が現在の地に遷(うつ)したのである。

 そんな由緒正しき神社の神職が続々退職しているという。発端は、20年以上にわたり鶴岡八幡宮に君臨してきた吉田茂穂宮司(79)にまつわる怪文書だ。

「1年ほど前に、鶴岡八幡宮の総代で千葉商科大学教授である宮崎緑さんのところに怪文書が届いたそうです」

 とは、事情を知る鶴岡八幡宮の関係者。

「そこには、とある女性と宮司が親密な関係にあり、神社から月に80万円もの報酬が支払われているということが書かれていた。宮司と女性が食事をする写真も同封され、他の総代にも同様のものが送られていました」

 怪文書に書かれたのは境内にあるカフェを運営する40代の女性だった。

「2年前にカフェをオープンする際、運営できる会社が見つからず、飲食店を切り盛りした経験があるその女性にカフェを任せた。すると、神社の中のことにまで口を出すようになったのです」(同)

“辞めてくれ”と迫られ…

 彼女は旧知のコンサル会社を神社に紹介したのだと、この関係者が続ける。

「するとこの会社に境内にある美術館のグッズデザインを任せ始めたほか、年会費制の崇敬会の運営方法やお守りのデザインにもアドバイスを仰ぐようになりました。女性の報酬もあまりに高く、神職から宮司と彼女が神社を私物化しているのではないかという声があがっていました」

 結果、先の怪文書がまかれることになったわけだ。が、それを知った宮司は激怒。犯人捜しを始めたという。

「首謀者とされた男性神職ら怪文書への関与を疑われた職員らを査問し、そのうち6人が宮司から“辞めてくれ”と迫られ、依願退職となった。こうして怪文書と全く関係ない人まで辞めさせられてしまったのです」(同)

 当の吉田宮司に尋ねると、

「怪文書が総代に届いたのは事実ですが、件の女性との関係というのは全くの嘘です。彼女とは10年近く前に知人経由で知り合い、(カフェの運営を)お願いした次第です。食事をしたのもそのことで相談をしていたに過ぎません。彼女が代表を務める会社にお支払いしているのも、月に80万円ではなく70万円で、正当な額だと思います」

 怪文書を作成した神職については、

「昨年10月に話を聞くと、彼は自身が作ったと白状しました。しかし、なぜそのようなことを、と尋ねても“早く辞めさせてください”と言い、怪文書の内容も“根拠はありません”と答えるばかりでした。そこで依願退職という形で辞めてもらうことにしたのです」(同)

 吉田宮司は全国8万社を束ねる神社本庁幹部と対立しており、怪文書を作成した神職はその幹部の意を受けているのでは、と指摘する声もあるというが……。

 真相が「藪の中」となれば、神々の黄昏は深まるばかりである。

週刊新潮 2021年7月15日号掲載

ワイド特集「サンクチュアリ」より

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