失踪した五輪「ウガンダ選手」 日本で働きたくもなる“最貧国の惨状”と“偽ワクチン事件”

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超“多選”のメリット

「海外安全ホームページ」に掲載されている文章を、そのまま引用させていただこう。まさに「クレイジージャーニー」(TBS系列・2015〜2019)の世界だ。

《日中は軽犯罪が横行し,夜間は重犯罪が後を絶たず,邦人が被害に遭う事件も散見されています。近年は銃器を使用した凶悪犯罪が増加傾向にあるため,滞在中は十分注意する必要があります。やむを得ず,バイクタクシーや乗合タクシー等で移動する場合は気を抜かず,常に周囲への警戒を怠らないようにしてください。また,夜間,首都カンパラと地方都市を結ぶ幹線道路で武装集団による強盗事件が頻発しているため,やむを得ない事情がない限り夜間の移動は控えるようにしてください》

「ウガンダでは1971年にクーデターで軍人のイディ・アミン(1925〜2003)が政権を樹立しましたが、10万人とも50万人とも言われる大虐殺を行って国は混乱の極みに達しました。現在の大統領であるヨウェリ・ムセベニ(76)は1986年から現職で、6選という超長期政権に国内外から強い批判の声があがっています」(同・記者)

 それでも長期政権のメリットはある。内政が安定し、国内経済が上向いてきたのだ。

「ウガンダは金とコーヒー豆の輸出が経済を牽引しており、経済成長率は2019年に6・8%を記録しました。最貧国から抜け出せるかもしれないと期待している関係者も多いのです」(同・記者)

偽ワクチン事件

 そんなウガンダの貧困と混乱を象徴するようなニュースが、7月4日の中日新聞に掲載された。見出しは「新型コロナ ウガンダで偽ワクチン 中身はただの水? 800人超に有料接種」というものだ。

 ウガンダ保健当局の発表によると、首都カンパラで“中身はただの水”という偽ワクチンが少なくとも800人に注射されたという。

 5月から6月にかけて、何と公的な接種会場で投与された。なぜ発覚したのかといえば、「無料であるはずのワクチンが有料で接種されている」と苦情が当局に寄せられたからだ。

 最大20万ウガンダシリング(約6200円)を受け取っていた看護師2人は逮捕された。彼女たちは医師を名乗る男から偽ワクチンを入手したと供述しており、捜査当局が行方を追っているという。

デイリー新潮取材班

2021年7月18日掲載

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