新人選手の貢献度を球団別に調査 巨人は1軍定着ゼロで断トツ最下位【セ・リーグ編】

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 プロ野球も前半戦が終わり、オールスター戦を挟んでの中休みに突入した。今季のペナントレースのひとつの特徴としてルーキーの活躍が挙げられる。そこで今回は各球団の新人選手がどれだけチームの力になっているのかを100点満点で評価してみることにした。まずはセ・リーグから。

 1位に輝いたのは90点という高得点で阪神タイガースとなった。ドラ1の佐藤輝明、ドラ2の伊藤将司、そしてドラ6の中野拓夢の3人が活躍しているだけに採点が高くなるのは当たり前だろう。ゴールデンルーキーの佐藤は大型野手ぶりを存分に発揮し、オールスター前だというのにすでに20本塁打を放ち、打点も52をマークしている。5月28日の埼玉西武ライオンズ戦では9回表に勝ち越し3ランを放つなど、58年の長嶋茂雄(元・読売)以来の新人での1試合3本塁打をマークした。ただ、7月に入ってからの成績が13試合で打率2割2分7厘、1本塁打、4打点と失速している点が気がかりなところだ。

 佐藤が大砲タイプなら、ドラ6の中野は好打者タイプ。シュアな打撃と鉄壁の守備を武器にショートのレギュラーとして完全に定着した。ここまで打率2割7分8厘、1本塁打、17打点で、盗塁数は同僚の近本光司、東京ヤクルトスワローズの塩見泰隆の17に次ぐ16と健闘している。

 投手陣では、2位で入団した左腕の伊藤が活躍している。社会人野球出身らしく、しっかり即戦力となっている。すでに5勝を挙げ、防御率も2.70と安定した投球ぶりは見事だ。そのほか、ドラ8右腕の石井大智は主に敗戦処理ながらここまで16試合に登板し、0勝1敗で防御率6.91。5位の大卒右腕・村上頌樹も1軍で1試合に先発経験がある。阪神の新人がこれだけ結果を出しているのは珍しく、それだけ上手いドラフトだったといえよう。

 85点で2位につけたのが広島東洋カープだ。注目すべきは、なんといっても開幕からクローザーに抜擢されたドラ1右腕・栗林良吏が、開幕からの22試合連続無失点を記録したことだろう。ここまで34試合に登板して0勝1敗18セーブ、防御率は驚異の0.53をマークしている。

 開幕直後はこの栗林に繋ぐ勝ちパターンの継投で起用されていたのがドラ2の左腕・森浦大介と3位の大道温貴だ。森浦は現在もリリーフで起用され、26試合に登板して2勝3敗6ホールド、防御率は4.37をマーク。大道は途中から先発転向し、22試合を投げ(うち5先発)、4勝2敗、3ホールド、防御率4.11という数字を残している。2人とも合格点を挙げてもいいだろう。現在、最下位に沈むチームにあってまさに期待の若鯉となっている。

 一方、野手では大卒ドラ6の矢野雅哉が開幕1軍の座を勝ち取り、主に守備固めや代走で起用されていたが、1カ月もたずに2軍落ち。その後1度1軍に上がったものの、すぐに逆戻りと苦戦を強いられている。守りと足では光るものをみせているが、バッティングが課題で、1軍では13試合に出場して6打数ノーヒットと結果が出ていない。

3位以下のチームは

 3位は55点の横浜DeNAベイスターズである。残念ながら活躍しているのは、ドラフト2位入団の内野手・牧秀悟くらいだ。ここまで81試合に出場して打率2割7分7厘、12本塁打、38打点は新人としては文句なしの合格点である。

 逆に期待を裏切る形となったのが、大卒ドラ1右腕の入江大生だろう。開幕ローテーション入りを果たすも、4連敗。4試合に登板して18回1/3を投げて0勝4敗、防御率は7.85で、最高で5回持つのがやっとというありさまであった。2軍降格直後に右ヒジに違和感を抱え、リハビリを経て、オールスター前にようやく実戦に復帰している。

 投手ではもう1人、社会人からドラ5で入団した左腕の池谷蒼大も開幕1軍入りを果たし、貴重な中継ぎとして期待された。ところが実戦で課題が見つかりわずか5試合に登板しただけで2軍落ちしてしまった。1軍では4回2/3を投げて被安打2、失点自責点とも0という成績である。

 4位は40点の東京ヤクルトスワローズである。なんといっても誤算だったのが、即戦力として期待されたドラ1とドラ2の大卒投手2人。まず、1位の木澤尚文に至っては1軍登板なし。イースタン・リーグでは先発だけでなくリリーフも経験し、14試合に登板しているが、0勝5敗、防御率5.86と思うような結果を残せていない。2位の山野太一も唯一の1軍登板となった試合で先発するも、わずか1回1/3で5安打を浴び、7失点KOを喫してしまった。2軍でも1試合のみの登板に留まっている点が気がかりである。2人とも高い潜在能力を誇っているだけに、これからの巻き返しに期待したい。

 かたや新人野手陣ではドラ4の大卒内野手・元山飛優が開幕1軍入りを果たした。その開幕2戦目で早くもプロ第1号を放ち、時には先発出場もしていた。ただ7月1日に先発したのを最後に代走や守備固めでの起用が続いており、トータルの成績も62試合に出場して打率2割4分8厘、2本塁打、15打点。もう一踏ん張りして欲しいところだ。

 ほかに俊足が武器のドラ5外野手・並木秀尊が一時期、1軍に帯同し、代走や守備固めで起用されていたが、打撃面がネックとなり、2軍落ち。1軍では27試合に出場して4打数1安打で打率2割5分、2打点、4盗塁という成績を残している。

 高卒ドラ3の捕手・内山壮真も一時期、1軍に帯同していた。ただ戦力として計算するというのではなく、経験を積ませるという意味での起用で、6試合に出場したが、1度もマスクをかぶることはなかった。5打数ノーヒットに終わり、待望のプロ初安打はお預けに。

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