グローバルダイニングが瀕死の外食産業で一人勝ち 「深夜営業」「酒」提供で奇跡のV字回復
2020年の売上高は?
中国の湖北省武漢で初めて新型コロナウイルスの感染者が発症したとされているのは、2019年の12月8日のことだ。
グローバルダイニングは公式サイトで、国内店舗数を40店と記載している。2019年、国内全店の売上高は91億255万2000円だった。
これを12で割ると、約7億5854万円という金額になる。これをグローバルダイニングの1か月平均売上高と仮定してみよう。
2020年1月29日、武漢からチャーター機の第1便が羽田空港に到着した。ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に停泊し、除染作業が行われたのは2月のことだった。
「1月の売上高は6億4613万円で、2月は5億7411万円。前年対比はマイナス1・5%と、マイナス9・7%という数字でした。下落が1割近いので、既に新型コロナの影響があったのかもしれません。とはいえ、その後の下落率に比べると、まだまだ“序の口”と言えます」(同・関係者)
マイナス84・7%
新型コロナウイルスが同社に襲いかかるのは、3月になってからだ。当時、北海道で感染が拡大しており、死者も発生していた。道内には緊急事態宣言が発令されていた。
「3月の売上高は3億7047万円でした。先に月の平均売上高として約7億5854万円という金額を仮定してみましたが、そのおよそ半分です。実際、前年対比はマイナス56・6%と大きく落ち込んだことが広報資料に残されています」(同・関係者)
4月になると、当時の安倍内閣は全国に緊急事態宣言を発令した。大半の教育機関も通学停止を求めるという厳しい内容だった。街が閑散とした鮮明な記憶をお持ちの方も多いだろう。
「4月に至っては、売上高は1億1952万円でした。前年対比はマイナス84・7%。5月も2億3370万円で、マイナス69・8%でした。東京都では5月25日に宣言が解除されましたが、客足は戻りませんでした。年末まで、月の平均売上高は3億円から5億円の範囲にとどまり、前年対比も4割台までしか回復しなかったのです」(同・関係者)
今年1月8日に東京都では再び緊急事態宣言が発令された。だが、グローバルダイニングは営業時短要請を無視した。
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