熱海土石流、崩落現場に‟大量の産業廃棄物“ 自分は悪くない――盛り土業者の言い分

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以前からトラブルが頻発

 7月3日に静岡県熱海市を襲った土石流の大部分は、届け出を大きく上回る量の“盛り土”だった。処理を行ったのは、前所有者である神奈川県小田原市内の業者。さらに、土石流の中には大量の産業廃棄物が含まれていたことも明らかに。現在“雲隠れ”している当の社長が取材に答えた“言い分”とは――。

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 8日、静岡県は今回流れ出た土砂の総量が約5万5500立方メートルだったとの分析結果を公表。盛り土を行った業者は、熱海市に「残土処理」の名目で盛り土を約3万6千立方メートルとする届け出をしていたが、実際には1.5倍の約5万4千立方メートルにのぼっていたのだ。

 現在の所有者である都内の民間企業が、小田原の業者からこの土地を購入したのは、2011年2月。業者は以前から熱海市の行政では知られた存在だったという。

 たとえば12年、熱海市上多賀でもこの業者が造成した土地から300メートルにわたって土砂が流出し、隣接する寺院の敷地に流れ込むトラブルが起きている。さらに、この業者が小田原市内につくったバーベキューハウス兼体験農家でも、今月初めに土砂崩れがあった。結果、隣接する農道に土が流れ出し、車両の通行が困難になるトラブルも起こしていたのだ。

「逃げる金がない」「自分は悪くない」

 この社長のもとで働いていた元役員が明かす。

「熱海の崩落現場には、コンクリートガラから木屑、プラスチックなど、あらゆる産業廃棄物が埋まっていました」

 それらが今回5万立方メートル以上の土石流となって街なかを襲ったというわけだ。

「数日前、知り合いのところに当の社長から電話がありました。『金を貸してほしい。逃げる金がない』と言っていたそうですが、その一方で、今回の土石流については『盛り土の届け出をしたのだから自分は悪くない』と開き直っていたというのです」

 そこで、雲隠れ中の社長に質してみた。すると、

「私は逃げているわけでは決してありません。何か話すことでさらなる波紋を呼んでしまう。本当でないことを書かれるのは辛いのですが、それを否定すると今度は言い逃れにしか聞こえないので、弁護士から止められているのです」

 との答えが。さらに彼の動静を知る近しい友人からは、こんな証言も……。

「届け出を大幅に上回る盛り土が積まれていたことについては『確かに多いのかもしれないが、自分も現場に出向いても土の量はわからない。最初は請負業者にやらせていたのだが、その業者が途中で投げ出してしまった』と説明しています」

 7月15日発売の週刊新潮では、この不動産業者がこれまでに起こしてきた数々のトラブルや社長の来歴と併せて詳報する。

週刊新潮 2021年7月22日号掲載

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