俳優・的場浩司も悩む「介護脱毛」 40歳以上男性の脱毛件数は7年前の100倍以上
「考えが変わった…」
6月14日、俳優の的場浩司さん(52)がブログで「介護脱毛」に触れ、話題になった。
ブログによると、この日共演した男性キャストに「お前、キレイな足してんな!」と声をかけた際、「脱毛してるんすよ。首から下の毛を全部」と言われた。的場さんは、「昔の俺だったら…『なんで脱毛なんかしてんだ?アホか?男がツルツルにしてる?理解出来ん!』間違いなく言ってた…」と思ったとか。ただ、「今は言わない… 理由は… 俺も数年前から興味深く考えてるから…」だそうで、その理由が、数年前某タレントに「将来、介護してもらう事になったら毛がない方が介護する側の負担が少なくなるんですよ」と言われたためだという。そのときの心境を、「目からウロコ…脱毛してる男に対しての考えが変わった…その通りだと思う…」と明かしている。
「介護脱毛」とは、介護を受ける立場になったときに備えて、アンダーヘアの処理をすることだ。確かにここ数年、中高年の女性を中心に介護脱毛への認識が高まっているが、男性の関心も高いのだろうか。そこで、的場さんの疑問に勝手に答えるべく、男性専門の医療脱毛を行う「メンズリゼ」総院長の赤塚正洋医師に聞いた。
「今は、男らしさや女らしさといった旧来の価値観や行動にとらわれず、美容に前向きな方が増えてきています。男性でも、身だしなみの一環として脱毛をされる方が年代を問わずいらっしゃいます。
そのなかでも40代以降の方は、10年以上前に脇だけをエステサロンでニードルを使って脱毛したり、アンダーヘアをワックスで脱毛をしていたりする方が多いようです。ですが、医療脱毛は敷居が高い、年齢が高い人が通っていいのか、などの理由でこれまで通うのをためらっていた方も少なくありません。しかし近年、脱毛が可能なクリニックの数も増え、広告やインターネット、SNSの普及で脱毛が身近になり、情報を容易に知る機会も増えました。過去に医療脱毛に踏み切れなかった世代の方々が、介護脱毛に限らず、希望されるケースも増えてきました。
『介護脱毛』という言葉が知られるようになる前は、『親の介護でオムツ交換や身体を拭く際、ムダ毛で身体の清潔を保つことが大変だった。自分は介護者の手を煩わせたくない』とご自身の経験から、アンダーヘア脱毛を希望される方がいました。でも、まだそれほど希望者が多かったわけではありません。介護脱毛という言葉の認知度が上がるにつれ、男性の方も『メディアで知って興味を持った』『つれあいがケアしていていいなと思った』など、介護のための脱毛を希望される方が増えています」
最高年齢は78歳
実際、メンズリゼで「アンダーヘア脱毛を契約した40歳以上の男性患者数」は2014年9月から2020年8月までの6年間で、約125倍と激増している。ちなみに、ブログのコメント欄のアドバイスを受け、的場さんが6月23日のブログで「『VIO』ってなに?下半身の毛の事?」と、疑問を呈していた男性のアンダーヘア(いわゆるVIOと呼ばれる部位)の範囲とは、腰骨の上から足の付け根までのビキニライン(V)と陰茎、陰嚢全体(I)、肛門周り(O)だ。現在、このアンダーヘア脱毛は、メンズリゼではヒゲの脱毛に続いて2番目に希望が多いという。
52歳の的場さんは、「俺は… まだ足を踏み出せず悩みます…」とブログに綴っているが、そもそも介護脱毛は本当に必要なものなのだろうか。もし、希望するなら、何歳ぐらいまでにやるべきなのか。
「もちろん、介護脱毛に限らず、脱毛は『絶対必要』など強制するものではありません。そして、アンダーヘアは生殖器を摩擦や外的刺激を和らげるため、雑菌やウイルスなどの侵入をブロックするためにあるとも考えられています。
しかし、特に排泄に関する介助では、デリケートゾーンに陰毛があると、介護者が排泄物を拭き取ったつもりでも毛の間や皮膚に残りやすく、炎症や感染症を引き起こしやすくなります。高齢で介護を必要としている状態では免疫力も低下しているため、オムツなどで菌が繁殖して、より感染症のリスクが高まります。介護脱毛を事前に行っておけば、感染症や皮膚トラブルのリスク、オムツ交換時の匂いの軽減など、介護をする人される人の双方にメリットがあります。
メンズリゼで行っている『医療脱毛』は、医療用レーザー脱毛器を使用し、黒色や茶色(メラニン色素)に吸収される波長のレーザーを照射することで熱を伝え、毛根や周辺組織を破壊します。そのため、白い毛には反応せず、脱毛効果はありません。脱毛に適齢期はありませんが、介護脱毛を希望されるのであれば、白い毛が増える前に脱毛することをお勧めします。なお女性の患者様ですが、これまでアンダーヘア脱毛のご契約時の最高年齢は78歳です。
ただし、医療脱毛で脱毛された場合、元の状態には戻りませんので、毛量の調整やデザインをご希望される場合にはイメージをしっかり施術者に伝えてください」
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