菅官邸の崩壊加速! ワクチン頼みの失敗、五輪観客の有無で迷走、緊急事態宣言の連発
機能不全で辞めさせた秘書官を呼び戻し
政治部デスクによると、
「新田氏は2006年から菅さんの秘書を務め、去年9月の政権発足時から首相秘書官に起用されましたが、財務省の寺岡光博氏と交代する形で今年1月1日付で辞職していました。寺岡氏は新田氏と共に菅さんの官房長官時代に秘書官を務めた人物で、将来の財務次官と言われていますが、菅さんとしては不満だった。新田氏は耳に痛いことも直言するタイプで、“to doレポート”を去年、首相に提出したのが疎んじられて交代させられたと言われてきた中で、今回呼び戻されることになったのはかなり異例のことです」
菅首相は8日の会見で、東京都の緊急事態宣言期間中に開催する東京五輪について「安全安心」をアピールしたが、開催に伴って新型コロナの新規感染者が増えるリスクや自身の責任については言及しなかった。
小泉首相時代に北朝鮮の金正日総書記とのトップ会談を演出した、田中均元外務省審議官はツイッターで、<昨日の首相会見を見て、国民にメッセージを浸透させ、且つ、それが信頼されることが指導者に不可欠な資質だと改めて痛感した。危機においては決定的に重要だ。質問に正面から答えず、言質を与えないことに懸命になる姿を見せること自体で信頼を損なう。首相として何を成し遂げたいのだろうか>と厳しく批判している。小泉氏にも、田中氏にも毀誉褒貶はつきまとうが、菅会見の虚しさを的確にとらえたメッセージではなかったか。
「苦労人」エピソードは好感度を失い
先ほどのデスクに菅政権の今後を占ってもらうと、
「選挙に無類の強さを誇った安倍政権下では、ロクに活動していなくても勝てたような候補がおり、『魔の3回生』などと言われる議員たちもその一例です。来る総選挙で彼らが勝ち残れないことがあっても、強力な野党がいない限りそれなりの数字は立つはずで、首相のまま今年を乗り切ることは可能でしょう」
そして、「ただ……」として、こう続ける。
「年が明けて新型コロナ感染拡大を制御できていなかったり、閣僚のスキャンダルが取り沙汰されたりすれば、7月の参院選前に“菅さんでは戦えない”という空気が出てきて、選挙前に退陣し、選挙の顔として期待される人物が総理総裁の座に就くというシナリオも十分にあります。菅さんは官房長官時代には、良く言えば塩対応、悪く言えば人をバカにしたとしか見えない対応を繰り返し、それでも難局を乗り切ってきたのですが、首相になっても同じトーンで、“丁寧に説明しない”感じが国民の顰蹙を買っていますね。令和おじさんとか秋田のいちご農家から徒手空拳で上京して……といったエピソードで獲得していた好感度はすでに剥がれ落ちてしまいました」
菅官邸の崩壊はすでに始まりつつあると言えるかもしれない。
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