日本ハム「伊藤大海」が侍ジャパンの“救世主”になりうるこれだけの根拠

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奪三振率は9.59

 大学3年秋に参加した大学日本代表候補合宿での紅白戦では、大学球界を代表する強打者を相手に2イニングをパーフェクト、4奪三振というピッチングを見せたが、この時投じた30球のうち29球がストレートだった。このように場面に応じてピッチングを変えることができるというのも見事という他ない。

 プロで早く活躍するなら抑えという声も多かったが、これまでに登板した13試合で5回を投げ切ることができなかったのはわずかに1回で、先発として素晴らしいパフォーマンスを見せている。奪三振率は9.59と、先発でありながら、イニング数を上回る三振を奪っているというのも頼もしい限りだ。

 伊藤とともに追加召集された千賀滉大(ソフトバンク)は、怪我からの復帰戦となった6日のロッテ戦で3回途中10失点と、東京五輪に向けて不安を残す内容だっただけに、伊藤にかかる期待はますます大きくなる。大学時代、そしてプロでここまで見せているパフォーマンスを考えれば、侍ジャパンの救世主となることは十分に期待できるだろう。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年7月12日掲載

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