難病患者が遠隔操作で接客する「分身ロボットカフェ」 日常会話も楽しめて女性に人気

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英語は、ちょっとだけなら

「分身ロボットカフェ」は、3つのエリアに分けられる。

「Aエリアは、『オリヒメ・ダイナー』です。4人掛けのテーブルが8つあり、各テーブルの上に設置されたオリヒメがメニューの注文を伺います。注文後、ドリンクだけオリヒメ-Dが運搬します。料理は店員が運びます。このエリアは予約制で、75分で入れ替えとなります」

 と説明するのは、カフェの広報を担当するサニーサイドアップの生田大樹氏。

「カウンター6席のBエリアには、遠隔操作で手先を使った作業を可能にしたロボット『テレバリスタ OriHime+NEXTAGE』を導入しています。ALSを発病したためバリスタの仕事を断念したパイロットがテレバリスタを遠隔操作して、淹れたてのコーヒーを提供します。このエリアには、元喫茶店店員のパイロットが操作するオリヒメがいて、商品の説明を行います」

 こちらも要予約で、45分の入れ替え制。残るCエリアは、予約不要のカフェラウンジで、ロボットの接客はない。ボックス席が8、カウンター18席、ソファ4席だ。

 Aエリアで、実際の接客を見学させてもらった。お客が来ると、テーブルの上のオリヒメがメニューの説明を始めた。

「イチオシは、ロービーバーガーです。当店自慢のローストビーフをふんだんに使っています……。季節野菜のパワーサラダもございます。こちらはローストビーフ、マグロなどトッピングが選べます。ライスはお好みで大盛、少な目もご用意できます」

 注文を終えると、ほどなくして、オリヒメ-Dがやって来た。客との衝突を防ぐため、ロボットは8つのテーブルのまわりにあるラインの上を通ることになっている。アイスコーヒーを2つ抱えたオリヒメ-Dは、右手を振りながら、

「こんにちは!いらっしゃいませ」

 とテーブルに接近。

「ご注文の飲み物をお持ちいたしました。アイスコーヒー2つでよろしいですか?ガムシロップはテーブルにあります。お好みでどうぞ」

 客がドリンクを取ると、「失礼します」と言って席を離れた。

 別のテーブルでは、さえちゃん(村井左依子)というパイロットが、2人連れのインド人女性を接客していた。「英語は話せますか?」と聞かれると、少し焦って、

「英語は、ちょっとだけなら。がんばって話します!」

 期間限定で運営された時期から、カフェには企業からの見学を積極的に受けつけ、これまで20人のパイロットが他社へスカウトされたという。NTTの総合受付、JR関内駅北口にある「caféツムギstation at Yokohama Kannai」、JR大阪駅LUCUA1100にあるチーズケーキ専門店「ハイチーズ」などでオリヒメを使って接客している。

デイリー新潮取材班

2021年7月12日掲載

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