警視庁捜査で分かった老舗「かっぱ寿司」の落日 「スシロー」「くら寿司」の二強時代へ

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「王者」の凋落

 回転寿司「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイト株式会社は7月5日、「当社役員に対する競合会社からの告訴について」との文書を公式サイトなどで発表した。

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 同社の文書によると、ライバルの「はま寿司」が不正競争防止法容疑で同社を告訴。6月28日に捜査が行われたという。

 かっぱ寿司も社内調査を実施すると、同社の田辺公己社長(45)が、20年11月から12月まで、はま寿司の日次売上データなどを入手していたことが分かった。

 田辺社長は東海大学を卒業すると、ゼンショー(現:ゼンショーホールディングス)に入社した。同社は2002年、はま寿司を設立したが、田辺社長は14年に取締役を務めていた。

 18年にグループ会社のココスジャパンの社長に就任するが、しばらくしてゼンショーホールディングスを退社。20年11月にカッパ・クリエイトに顧問として入社した。はま寿司のデータを不正入手したのは、顧問の時だったという。

 文書が発表されたのと同じ7月5日、TBS NEWSは「『かっぱ寿司』運営会社を警視庁が家宅捜索 他社の営業秘密侵害か」の記事を配信した。

今や“負け組”

 この記事はYAHOO!ニュースのトピックスにも転載され、文書の内容を要約して紹介した上で、警視庁が不正競争防止法違反の容疑でカッパ・クリエイトの本社を家宅捜索したと報じた。

 経済を担当する記者は「近年、カッパ・クリエイトの業績は芳しくありません」と指摘する。

「4月30日に発表された決算短信で、売上高は648億8100万円で、前年比でマイナス13・3%と落ち込みが顕著でした。営業利益は15億7200万円の赤字、当期純利益は11億4900万円の赤字となりました」

 回転寿司の業界に詳しい関係者は、「かっぱ寿司は追い詰められているのかもしれませんね」と言う。

「かつては業界1位に君臨し、老舗との自負もあったはずです。しかし気がつけば、回転寿司のチェーンでは“負け組”になりつつあります。その焦りが、ライバル社のデータを不正に入手するという“禁じ手”をさせてしまったのかと考えてしまいます」

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