【独自速報】日本人2人目の快挙! 清水洋・早大教授が「シュンペーター賞」受賞

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 イノベーション研究で最も権威ある賞の一つ「シュンペーター賞」が9日に発表され、早稲田大学商学学術院の清水洋教授(48)の『General Purpose Technology, Spin-Out, and Innovation: Technological Development of Laser Diodes in the United States and Japan』が受賞した。

「シュンペーター賞」は、イノベーション研究の国際学会 The International Schumpeter Society が主催し、2年に1度極めて優れた研究に贈られる学術賞。日本人では、1998年に受賞したスタンフォード大学名誉教授の故・青木昌彦氏以来、2人目の快挙となる。

 受賞対象となった研究は、半世紀を超える日米の半導体レーザーの研究開発の歴史を振り返り、スピンアウトがイノベーションのパターンに与える影響を調査したもの。「幹の太い技術を育てる」ことと「多くの果実を得る」ことのジレンマを明らかにした。

 清水教授は「イノベーション研究の泰斗シュンペーターの名を冠した栄えある賞をいただき、嬉しく思います。これまでの受賞者を見ると、青木昌彦先生をはじめ世界的な権威ばかりで、場違いな気もしています。受賞作のエッセンスは、日本語で書いた『野生化するイノベーション』において、さらに発展させた形で分かりやすく書いているので、日本の産業界にかかわる方々にもぜひ読んで欲しいと思います」と語った。

 清水教授は、1973年神奈川県横浜市生まれ。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。ノースウエスタン大学歴史学研究科修士課程修了。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでPh.D.(経済史)取得。アイントホーフェン工科大学フェロー、一橋大学大学院イノベーション研究センター教授を経て、2019年に早稲田大学商学学術院教授に就任。

 主な著者に『ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション:半導体レーザーの技術進化の日米比較』(2016年、有斐閣、日経・経済図書文化賞受賞、高宮賞受賞)、『野生化するイノベーション:日本経済「失われた20年」を超える』(2019年、新潮選書)などがある。

フォーサイト編集部

Foresight 2021年7月9日掲載

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