米国「UFO機密文書」公開の陰で、日本初の「UFO研究所」が福島市飯野町にオープン

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UFOの里で町おこし

 UFOで町おこしと一口に言っても、飯野地区のUFOとの関わりは長い。

 2008年に福島市と合併する以前から、旧飯野町ではUFOの目撃情報が相次いでいた。近くにはピラミッド型をした千貫森という山があり、周辺では方位磁石が狂うほどの強力な磁場があるため、その磁気でUFOを呼び寄せているとも、UFO基地ではないかとの説まであった。80年代に入ると、テレビでも取り上げられるようになり、町もUFOで売り出すことができないか真剣に考えていたという。

 そしてバブル真っ盛りの80年代末、竹下登内閣はふるさと創生事業の名のもとに、全国の自治体に1億円を交付。92年、飯野町が交付金を使って、千貫森の中腹に建設したのが「UFOの里」だった。UFOや宇宙人関係の資料を展示する「UFOふれあい館」に加え、入浴施設や食堂もある公共施設である。

 ちなみにふるさと創生事業では、交付金の使い途に困ったのか、村営キャバレーや自由の女神像、とんでもない箱物など、無駄遣いと呼ばれるものが続出した。そんな中、「UFOの里」は現在も存続する公共施設としては、数少ない成功例と言われている。

有料会員にパワーストーンをプレゼント

 そんな歴史のある「UFOふれあい館」の事務局長にとっても、念願の研究所設立だったようで、

「アメリカ国防総省の報告書提出のタイミングと重なったこともあって、研究所のオープンには、ありがたいことに大きな注目が集まりました。新聞やテレビなど十数社のマスコミが取材に来てくれて、研究所が募集している有料会員の目標200人をすぐに達成できそうだと期待しています」

 会員になるには、〈UFOを実際に見たことのある人、UFOの存在を信じている人、UFOと遭遇してみたい人、UFOをもっと知りたい人、未知なるものへの好奇心〉(研究所HPより)があることが条件。会員費別に「地球系会員(1万円/1年)」、「太陽系会員(2万円/3年)」、「銀河系会員(3万円/3年)」に分かれている。

「入会特典として、CIA機密文書の写しや特製Tシャツ、地元の純米酒をプレゼントしています。他にも、UFOを呼ぶ磁場を発するとも言われるパワーポストーンを詰めた『ピンカラ石缶』もプレゼントしています」(同)

 気になる「ピンカラ石缶」は、有料会員にならずともUFO研究所オンラインショップからも550円で購入可能。ただし、UFOを呼ぶ磁場を発生させる効果については、〈科学的には実証されていません。〉との注意書き付きである……。

 事務局長に、今後のことを尋ねると、

「何をするかは決まってません。ミステリーツアーなんかはやっていますが、情報収集は9月とか10月くらいかならかなあ。アメリカの報告書とタイミングがうまくあって、『UFO研究所』にもこれだけの注目を集められたのは嬉しい限りです。これからどうするんだって聞かれても、私もどうするんだろうと思っているくらいで……」

 6月27日には、「UFOふれあい館」の来館者数が360人を超え、過去最高を記録した。さらに、有料会員数はオープンから1週間で500人を突破。町おこしは、ひとまず成功しているようだ。

デイリー新潮取材班

2021年7月8日掲載

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