天皇陛下、菅総理の「内奏」で異例のご不満 背景に秋篠宮さまとの連携
望ましくないご判断
加えて、天皇陛下が感染拡大に懸念を抱かれるようになった背景には、秋篠宮さまの存在も見え隠れする。
宮内庁関係者によると、
「全国399の施設を運営する恩賜財団済生会の総裁を務める秋篠宮さまは、当初から新型コロナに強い関心をお持ちで、自ら欧米の医学専門誌にも目を通されてきました。最近のご進講を巡っても、コロナに関連する人選が目立ちます」
秋篠宮さまが国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師のご進講を受けられたのは5月17日のこと。
以降、同月25日には“8割おじさん”こと京大の西浦博教授、6月3日にはアブドラ国王科学技術大学の五條堀孝・特別栄誉教授、さらに、東海大医学部の中川草講師といった専門家のご進講を重ねてこられた。
「五條堀さんは、秋篠宮さまが総合研究大学院大学で理学の博士号を取得された際の指導教官で、ゲノム研究の第一人者。中川さんもゲノム科学を専門としており、秋篠宮さまはインドのデルタ株をはじめとする変異株について話をお聞きになっています。西浦教授は、長官会見前日の23日に開かれたアドバイザリーボードで、東京五輪の開会式が行われる7月23日には、従来型よりも感染力が1・9倍も高いインド型変異株の占める割合が68・9%に達するとの試算を報告しました。こうした情報を秋篠宮さまも当然、お聞き及びだった。天皇陛下と秋篠宮さまはいまもオンラインでやり取りをされているご様子です。秋篠宮さまがご進講で得られた最新の知識を、天皇陛下に伝えられ、共有されておられるのでしょう」(同)
弟宮との連携で陛下が疫禍への知見を深められたことが、異例の“発言”の一因となったのは間違いない。
その一方で、
「今回、天皇陛下は西村長官を通じて間接的にお気持ちを明らかにされました。それは日本の象徴天皇制の在り方からすると、望ましくないご判断だったと言わざるを得ません」
そう語るのは、麗澤大学の八木秀次教授である。
「憲法は天皇を国民統合の象徴と定めています。なぜ国民を統合できるのかといえば、天皇が政治的論争の只中に立ち入らないからに他なりません。国民の間で賛否が割れる東京五輪について、間接的とはいえ陛下のお気持ちが表に出れば、政治的に利用されかねない事態となる。実際、今回のご発言が、五輪反対派の人々にとって錦の御旗になる可能性もあります」
同時に、眞子さまと小室圭さんのご結婚を巡り、ネットを中心に皇室が批判に晒されており、そのトラウマも、影響したのではないかと八木氏は話す。
「憲法には、天皇の地位は国民の総意に基づくとあります。国民の総意とは、歴史的に醸成されてきた天皇と国民の信頼関係です。眞子さまのご結婚問題はその信頼関係を崩すことに繋がったように思います。そうした危機感を陛下がお感じになられたからこそ、長官発言を通じて国民に寄り添う姿勢を示されたのでしょう。ただ、現在の陛下は国民に寄り添うというよりも、世論に寄り添っているようにお見受けします。天皇陛下が国民に接近しすぎると、君臣の別を乱して信頼関係を損ないかねません。いま一度、象徴天皇制の原義に返って、その在り方を見直すべきだと感じます」
小室圭さんという一青年が秋篠宮さまばかりか、天皇陛下まで苦悩させ、突き動かす要因となっていたとは……。その影響力は計り知れない。
突如として明らかとなった陛下のご懸念。東京五輪が混迷の度合いを深めることだけは間違いない。
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