埼玉県警「現職警察官」が「女性向け風俗」で“副業”していた!記者の直撃に本人はあり得ない言い訳
交番のおまわりさんだった
「デイリー新潮」編集部に、「サトルは埼玉県警の現職警察官」という匿名の情報提供がもたらされたのは、昨年秋口のことであった。
公務員の副業は法律で禁じられている。ましてや、警察官が風俗店で隠れてバイトするなど、職務倫理にも反することだ。2019年に兵庫県警の女性巡査長が大阪市内の性風俗店でアルバイトをしていたことが発覚した際も、女性巡査長は停職1カ月の処分を受け、依願退職している。
取材班は調査に入ったが、身元の特定は難航した。だが、数カ月間の取材を経て、とうとうサトルの素性が判明した。
7月上旬のある日。まだ薄暗い早朝5時半頃、埼玉県某所の一軒家からスラックスにベスト姿の長身の男が出てきた。サトルだ。玄関脇には子供用の自転車が置かれている。彼は妻子持ちであった。
サトルは小雨が降りしきる中、傘を差して最寄り駅まで徒歩で向かった。電車を乗り継ぎ、JR上尾駅で下車。再び傘を差して10分ほど歩き、ある建物の中に消えていった。看板には「埼玉県警上尾警察署」。99年、「桶川ストーカー殺人事件」が発生した際、被害者の告訴をもみ消す不祥事を起こした警察署である。
埼玉県警関係者が明かす。
「彼の名はA。埼玉県内の高校を卒業後、2010年に埼玉県警に採用されました。本庁のサイバーパトロール課などを経て、今は上尾署の地域課に所属しています。仕事は交番勤務ですよ」
待ち合わせ場所に現れたA
交番勤務――。Xのホームページ上にあったサトルの勤務表を見て、合点がいった。彼は2日おきに、午後1時から午後6時までシフトを入れていた。一般的に交番勤務は3交替制で、3日に1日が非番。A氏は夜勤明けに風俗バイトをしていたのである。
「彼は最近、昇進試験に受かって警部補に昇進したばかりです。高卒採用者が30歳過ぎで警部補というのは、相当なスピード出世と言えます」(同前)
勤務態度は真面目で職場の評価は高い。だが、休みになるや、どんな相手が来るかもわからない女性向け風俗店で、“体を駆使”してアルバイト。そこまでして働く動機は、カネなのか、はたまた欲望なのか――。
女性記者が客のふりをして店舗に電話を入れ、A氏を呼び出すことにした。指定された待ち合わせ場所は、風俗店が密集する池袋北口の喫茶店前。7月5日午後1時。約束の時間になると、ベスト姿の長身の男が現れた。紛れもなくサトル、いやA氏だ。
A氏は一旦女性記者に近づくと踵を返し、離れた場所から記者を窺うような仕草を見せた。予め店には、この日の服装を伝えてある。品定めでもしているのだろうか、1分ほど間を置いてから、躍り出るように女性記者の前に立った。
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