1932年のロス五輪、男子100m決勝に残った吉岡隆徳 神経を鋭敏にする訓練とは(小林信也)
1932年8月1日、今から89年前のロサンゼルス五輪。陸上男子100メートルで決勝に進出した日本人選手がいた。「暁の超特急」と呼ばれた吉岡隆徳(たかよし)だ。
号砲が鳴ると真っ先に飛び出したのは身長165センチの吉岡だった。
「体力がないのですから前半で勝たなければいけない。前半で勝つにはスタートでリードするしかない」
吉岡には明確な戦略があった。練習時間の多くをスタートに充てた。
「最初の3歩で勝とう、3歩で相手を抜く!」
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