「50代後半でもモデル、元女優と付き合えた」 婚活パーティーのリアルと必勝法を経験者が語る
職業は経済的に不安定なフリーの記者、加えて還暦手前という条件の悪さでも、婚活市場では需要が存在していた。交際したのは、モデル、スッチー、元女優……etc。彼女たちと接してみると、想定外の出来事が!! アラカン・シングル諸氏、諦めるのはまだ早い。
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新型コロナウイルスの感染拡大とともに婚活が盛んになっていることは前回で書いた。とはいえ、それ以前も、2010年代からすでに婚活はかなり一般的になっていた。
日本ではずっと学校や職場や友人・知人からの紹介、つまり自分がいるエリア内での出会いがスタンダードだった。しかし、婚活アプリ、婚活パーティー、結婚相談所の普及で、今は共通の知り合いがいない男女でも交際し、結婚している。
筆者は33歳で離婚を経験し、50歳に近づいた10年ころに結婚願望が湧き、婚活に勤しんだ。人生の後半を一人で生きる自分を想像して、さみしさを覚えたのだ。50歳までには成果は上がらず、60歳が近づき、中断していた婚活を再開した。ここからの人生、好きな女性と時間や文化やさまざまな体験を共有したいと思ったのだ。
そして、自分に三つのノルマを課した。
(1) 婚活アプリに登録して、毎日必ず誰かにアプローチする。
(2) 時間が許す限り婚活パーティーに参加する。
(3) 結婚相談所に入会する。
婚活再開でもっとも気になったのは年齢だった。この時点で57歳。
「60近くにもなって婚活するやつなんているのだろうか?」
かなり不安だったが、思いきって始めてみると、同世代も、さらに年上も、熱心に婚活をしていた。
その顛末を書いたのが『57歳で婚活したらすごかった』(新潮新書)で、前回では婚活アプリの体験について述べた。今回は婚活パーティーと結婚相談所の体験を中心に、ありのまま打ち明けていきたい。
筆者は経済的に不安定なフリーランスの記者。容姿は、お鉢が大きく手足が短い、農耕民族系の昭和人。還暦手前。バツイチ。そんな“婚活四重苦”でも、婚活市場に飛び込んでみると、まだ需要はあった。
かつて10年代に40代で参加したパーティーは、2部構成。前半は男女が1対1で数分間会話をする。後半はフリータイム。気に入った相手とだけ話す。相思相愛になった男女は“カップリング”といい、連絡先を教え合い、その後は自由恋愛だ。
しかし、この数年で1対1会話のみのスタイルがスタンダードになった。つまり、フリータイムは設定されていない。男女の会話は、パーティションで仕切られた環境で、周囲の目や耳を気にせず行える。
40代後半から、中断を挟んで50代後半に至るまで、狂ったようにパーティーに参加してきた。50歳、60歳という人生の節目を目前にすると、人恋しくなるのだ。会場ではたくさんの女性と会える。女性は概して社交性が豊かだ。気持ちよく対応してくれた。
パーティーは、職業的に相手の話を丁寧に聞く習慣を持つ取材記者に向いている婚活ツールだ。次のことを心がければ、婚活四重苦のロースペックオヤジでも2回に1回のペースで女性とカップリングできた。
(1) 容姿より会話が重視される、参加者が男女各10人以下のコンパクトなパーティーを選ぶ。
(2) 清潔感を意識する。エリのあるシャツにジャケットを着て、必ず髪を整え、靴を磨き、出がけには鏡の前で鼻毛、眉、爪をチェックする。
(3) 女性の目を見て、身振り手振りを交えて話す。表情を変化させ、動作を加えると、実年齢よりも若く見られる。
(4) 女性の話はうなずきながら真剣に聞き、気の利いたあいづちを心がける。
これらはどれも当たり前に感じるかもしれない。しかし、会場を見まわすと、うまくやれない男性は意外と多い。なので、ちょっと意識するだけでアドバンテージを得ることができる。
アニメ声で「どうして?」
パーティーに参加する女性に多い職種は、幼稚園や保育園の先生、美容系の仕事の女性、電話オペレーター。職場に男性が少なく、出会いに恵まれないのだろう。
筆者は、会社員をはじめ、モデル、銀座のホステス、客室乗務員、元女優、シンガーソングライター、精神科のドクター、エステティシャン、官僚、ヤクザの元情婦……など、さまざまな女性とカップリングできた。交際にも進めた。
自分と業種や職種が違う女性と接すると、想定外の未体験の出来事が起きる。
40代の後半に参加した銀座のパーティーでは、近くのクラブのホステスと会話がはずみ、交際に発展した。
彼女は毎夜閉店後の午前1時にうちにやってくる。楽しかったが、やがて睡眠不足に苦しむようになった。こちらは朝から働かなくてはいけない。仕事中は常に眠くて、ぼおーっとしてしまう。まずいと思った。
「毎日会わなくてもいいんじゃないかな」
提案した。
「私への愛情がないから、そういうことを言いだすんだと思う」
「愛情とは別の問題だと思うんですけれど……」
「いえ、愛情の問題です!」
険悪な状況になり、交際3カ月で別れた。
アニメの仕事をしている女性とは、ベッドで機能しなくなった。彼女は、少女っぽい“アニメ声”だ。すると、こちらは罪悪感のようなものを覚える。そうなると、もうダメだ。下半身はショボンとしてしまう。彼女は当時35歳。十分に大人だ。
「どうして? どうして?」
かわいらしい表情で首をかしげ、さまざまな技術を駆使して奮い立たせようとしてくれる。でも、声を聞くと萎えるのだった。
中高年の婚活では下半身の衰えは深刻だ。たとえひと回り以上年下の女性と交際できて有頂天になっても、相手を満足させられない。
57歳のとき、40歳の華道の先生とパーティーで出会い意気投合した。
「今日、私、帰らなくてもいいよ」
テンションの上がった彼女にお誘いいただいたものの、腰が引けた。彼女いわく性欲が強く、オールナイトで楽しみたいというのだ。まったく自信が持てず、ご辞退した。ベッドの上で女性にがっかりされる状況を思うと、耐えられそうになかったのだ。
後日、再度のお誘いでトライしたものの、途中で睡魔に襲われて寝落ち。尿意で目を覚ますと、彼女はなぜか下半身だけむき出しで、ストレッチ体操をやっていた。ただただ申し訳なく、でも、そのまま朝まで睡眠をむさぼった。
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