都議選応援で大人気「安倍前首相」 総選挙後に「菅退陣」で再々登板も現実味

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萩生田文科相と河野ワクチン担当相

「総裁選が近づくと、“次の総理総裁にふさわしいのは誰?”というアンケートが行われますが、決まって岸田さんは最下位争いをしてしまいます。国民的人気がないということですから、せっかく総裁・首相に選んでも早晩、政権が頓挫しかねないとなると、『岸田回避』という動きが出てくることになるでしょう」

 とはいえ、細田、麻生両派が自派から出してまとまる候補がいるというわけではないから、こちらも話は単純ではない。

「細田派の候補でいうと第一は萩生田(光一)文科相ということになりますが、57歳と若く派内がまとまるのは難しそう。麻生派でいうと河野(太郎)ワクチン担当相ですが、安倍さんは河野さんを嫌っているし、そもそも麻生派内にもアンチ河野がいて、とてもまとまるとは思えません。ということで、派閥外から候補を探ることになるわけです」

 そこで候補となりそうなのが、加藤勝信官房長官、茂木敏充外相。いずれも竹下派所属だ。

「二人とも“政治家になったからには総理総裁を目指さないということはない”と、まぁまどろっこしい言い方ですが、意欲は十分。第3派閥ですから、上位2派閥の支持を得なければ総裁選当選はもちろん、その後の政権運営は不安定になる。加藤さんの義母・睦子さんは安倍さんの母・洋子さんと昵懇で、勝信氏を首相にという思いを伝えてきました。茂木さんはと言うと、“冷たい”とか“怖い、パワハラ気味”といった評価を払拭するため、派内の若手に積極的に声をかけ、親身に相談に乗ってきたと言われています」

 加藤氏には二階派からもアプローチがあるという。では、この2人のどちらかで決まりかというと、さにあらず。

自身の人気を改めて認識している

「岸田さん同様、“次の総理総裁にふさわしいのは誰?”を聞いて回ると、2人は上位には出てこない。国民的な人気が全くないのです。決定力を欠く3人を尻目にジリジリ存在感を高めているのが安倍さんです」

 昨年9月に突如、病気を理由に首相の座を退いた安倍氏。その後、主催した「桜を見る会」前夜祭を巡る収支が安倍氏の関連政治団体の政治資金収支報告書に記載されていない問題で、東京地検特捜部による捜査を受けた。安倍氏は嫌疑不十分で不起訴処分、前夜祭を主催した政治団体代表の公設第1秘書が政治資金規正法違反(不記載)罪で略式起訴された。

「安倍さんの不起訴は不当だということで検察審査会に審査が申し立てられていますが、安倍さんは年明け以降、政治活動を再開させてきました。7月4日に投開票となる都議選では応援要請が相次ぎ、実際、多くの聴衆が詰め掛け、その反応はすこぶる良いようです。安倍さんは首相時代、演説の際に熱狂的な応援の一方で侮蔑の視線も数多く浴びてきた経験があり、現役政治家として、応援演説の手応えを最もよく知る人物だと言っていい。その安倍さんが自身の人気を改めて認識しているということで、再々登板の可能性が日を追うごとに高まっていると見ています」

 総選挙で与党が35以上議席を減らすと、政局が起こって前首相が浮上してくるというシナリオは果たして……。

デイリー新潮取材班

2021年7月2日掲載

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