テレビ業界で未だ流れる五輪中止説 民放各局が緊急事態に備え考え出した秘策とは

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万が一中止でも

「もちろん1局だけでは競技を放送しきれないので、基本はメインの局とサブの局で中継していきます。丸1日放送するのがメインの局です。これまでなかった試みであり、ある意味、大した発明かもしれません。民放各局は、競技の不公平さは関係なく、その日1日は、丸ごとオリンピック一色にできるわけです。テレビ局にとっては、番組の編成体制を組みやすくなりました」

 丸1日、オリンピックに集中できるというのは、確かにやりやすそうだし、テレビ局も一丸となって盛り上がるに違いない。とはいえ、その五輪が中止になったらどうするのか。

「丸1日の編成だからこそ、万が一中止になっても影響を受けにくいんです。五輪中継を準備しているのは、各局のスポーツ局です。中止になった場合は、おもにバラエティ番組が通常編成に戻り、レギュラー番組が放送されるだけだからです」

“虫食い”中継より混乱が生じないというわけか。

「通常、民放の番組は“隔週単位”で収録しています。たとえ五輪の時期でも、収録はある。五輪が開催されれば、1週分のストックができるという考えで、今まで通り収録を進めているんです。これが今回、民放各局が寄り集まり、全局一致で決定した番組日替わり編成という秘策なんです」

デイリー新潮取材班

2021年7月1日掲載

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