伸びた眼球を戻す「眼軸リセット法」 「緑内障」「眼精疲労」を予防
骨を正しい位置に押し戻す
はじめに、自己矯正を行いやすくするために、(1)頭(ず)がい骨をマッサージし、頭がい骨を締めつけている筋肉をゆるめます。
両方の手のひらをそれぞれ頭の横に密着させ、ゆっくりと円を描いてください。その際、親指の付け根の膨らんだ部分(母指球)が頭がい骨の硬いところに当たったら、念入りに押してください。これを、a前方(髪の生え際)、b中ほど(もみあげの上部)、cその後ろ(耳の上部)と、3カ所に対して、それぞれ15秒ずつ行いましょう。
両方の手のひらで頭を横からしっかりとはさんだら、ゆっくりと押し上げましょう。その際、a最初はこめかみの上のあたりをはさんで真上に押し上げ、その状態のまま15秒ほど我慢します。続いて、b耳の上のあたりをはさみ、同様に押し上げ、その状態を15秒ほど維持します。これを2セット行ってください。
このエクササイズによって、意外な効果も得られます。耳鳴りの解消にもつながるのです。こめかみの内側の蝶形骨のズレが耳鳴りの原因のひとつですが、側頭骨を矯正するとそこが押し上げられるので、症状が緩和されるのです。
次に、(3)前頭骨の押し上げです。a利き手の手のひらを、鼻骨とおでこの間に強く当て、押し上げましょう。そのとき、b反対側の手で下からひじを支えたら、しっかりと押し上げ、その状態を15秒ほどキープします。これも2セット行ってください。
いよいよ核心部分を矯正します。(5)目のポケットである眼窩それ自体の押し上げです。最初に、a右目の眼窩に右の手のひらを押し当て、強く力を入れて押し上げます。押し上げた状態を15秒ほどキープし、今度は、b左目に左の手のひらを押し当て、同様に押し上げましょう。眼窩が広げられます。
アンチエイジング効果も
ここまでのエクササイズは、『眼圧リセット』のなかでも紹介しており、これだけを行っても、眼圧を下げて眼球の健康を取り戻すために、かなりの効果が期待されます。今回は、さらに二つのエクササイズを加えることで、眼球をより球形に近づけ、目がいっそう健康な状態になるようにしたいと思います。
そのひとつは、(6)眼球の押し込みです。これは、長く伸びてしまった眼軸長を修正して短くするためのメソッドですが、意外なほど簡単です。a目をつぶったら手のひらで眼球を軽く押さえて、その状態を1分間キープします。終わったら、b反対側の目も同様に、1分ほど押さえます。
眼窩が狭くなると、眼球は前に出っ張ってしまっています。それをこのエクササイズで引っ込めるのです。これを続けるだけで、眼軸長は短くなっていきます。
最後のエクササイズは、(7)眼軸の修正です。aまず左手を、右のほお骨の上に押し当てます。次に、左手はそのままに、b右手を右目の上の骨のところ、つまり鼻に一番近いくぼんだ部分に、左手と交差させるように当てましょう。こうしてほお骨をしっかり押さえたまま、目の上に当てた手を押し上げ、その状態を15秒ほど維持します。
これで眼窩がさらに広がり、眼球はますます元来の球形に近づきます。続けて、左目に対しても同じように行ってください。
以上、ご紹介したエクササイズを、騙されたと思ってしばらくの間、毎日続けてみてください。もちろん個人差がありますから、あまり効果が得られない方もいます。しかし、『眼圧リセット』の読者のほぼ8割から、なんらかの効果があったという声をいただいています。この8割という数字は、私が日ごろ骨格矯正を行いながら得ている実感と重なります。
最後に、これらのエクササイズで得られる、目の健康とは別の効果についてもお話ししておきましょう。耳鳴りが緩和されることは、すでに述べましたが、それ以上に大きいのは、アンチエイジング効果です。
目のくぼみが解消し、おでこのしわが消え、ほおのたるみが直って、まぶたが上がります。こうしたうれしい副産物が得られるとわかれば、エクササイズを続けることも苦でなくなるのではないでしょうか。
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