「武井壮」が競技歴2年半で日本一になれた理由 幼少期に目覚めた「人間の体」への探求心(小林信也)

  • ブックマーク

 武井壮は1997年、第81回日本陸上選手権の十種競技で、それまで7連覇していた“絶対王者”金子宗弘を破って日本一に輝いた。記録は7606点。十種競技を始めてわずか2年半、24歳での快挙だった。

 100メートルの自己記録は10秒54。武井はスピード系の種目が得意だった。

「王者の金子さんは投擲が得意でした。その影響で当時はパワー系の選手が多かった。僕はそこが盲点だと思い、ほとんど投擲の練習をしないで、高得点の取りやすいスピード系の種目に力を入れたんです」
...

つづきを読む