巨人「ウィーラー」、歴代の高額外国人選手と決定的に異なる“すごい貢献度”

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ムードメーカーとしての役割も

 もう一つ、ウィーラーの大きなプラスポイントは、実績に胡坐をかくようなプレー、態度を一切見せないという点だ。楽天時代はサードと指名打者での出場だったが、巨人移籍後は慣れないファーストとレフトも守り、守備でも全力を尽くすプレーを見せている。

 また、プレー以外でも移籍直後からチームメイトにも積極的にコミュニケーションをとり、まるで何年も巨人でプレーしているかのような雰囲気を醸し出していた。テームズとスモークの入団が決まっても、決してマイナスな姿勢は見せず、早期に来日してキャンプでもしっかり調整していたところも高く評価できるポイントだ。過去に在籍した実績のある外国人選手の中には、起用法などを巡って、首脳陣と対立するケースもよくあった。ウィーラーは、そのようなことが全くなく、ムードメーカーとしての役割を果たしている。

 繰り返しになるが、テームズとスモークが抜け、新型コロナウイルスの感染状況を考えても、ここから新外国人の獲得は簡単ではないだけに、ウィーラーにかかる期待はますます大きくなってくる。阪神追撃、そしてリーグ3連覇のためにも、その力をますます発揮してくれることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年6月26日掲載

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