江頭2:50、オリラジ中田も戦々恐々……「YouTubeプレミアム」で始まった戦国時代

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タレントも飽きられる?

 起床後の生活様式をだらだら流す、いわゆる“モーニング・ルーティーン”といった動画が増えたのはそのためか。

「ナイト・ルーティーンもありますし、生配信もあります。そうした長尺の動画がYouTubeでは格段に増えました。結局、Googleは長尺の動画をユーザーに見せることに成功し、テレビやNetflixといったライバルにも差を付けることができたのです」

 その次の段階が「プレミアム」というわけである。とはいえ、月額およそ1200円は、若者には安くない金額だ。

「実はYouTubeを頻繁に視聴する若者は、サブスクという定額課金に、あまり抵抗がないんです。むしろ、動画の再生中に何度もCMを見せられることに辟易としている人のほうが少なくない。しかも、YouTubeプレミアムにはYouTube Musicもついている。YouTube Musicは音楽ストリーミングサービスで、こちらも広告による中断なしで視聴できるようになるので、既存の音楽ストリーミングサービスと遜色がなくなります。既存のものは月額1000円程度ですから、乗り換える人もいると思いますよ」

 既存のサービスも飲み込んでいくということか。

「Googleは今後、有料版のプレミアムに力を入れる方針です。プレミアムの月額の売上はユーチューバーにも再生された分が還元されるということでしたが、近ごろは収入が減っているという人気ユーチューバーが増えてきているのです。これには、タレントがYouTubeに参戦し始めたことも影響していると言われています。このままプレミアムが定着することになれば、動画の間に入っていた広告によって収入を得ていたユーチューバーは、より一層、収入が減ることになるかもしれません」

 有名タレントがユーチューバーになれば、視聴者の目はそちらに向かう。

「特にこの1年、オリエンタルラジオの中田敦彦やカジサック、江頭2:50など、広告収入に目がくらみ、テレビを辞めてYouTube1本に絞ったタレントも出てきました。しかし、いくら名前があっても面白くなければ視聴者だって飽きます。特に最大1分が基本のTikTokに慣れたユーザーは、動画が面白くないとすぐに視聴をやめてしまいます。長尺の動画を最後まで見てもらうには、だらだらと流すだけでは駄目で、かなりの編集技術が必要になるのです。タレントはYouTubeに移っても、テレビで長年番組を作り続けてきた制作会社と組んで動画を制作しないと飽きられてしまう時代が、すぐそこまで来ているんです」

デイリー新潮取材班

2021年6月26日掲載

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